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海外出張時のテロ対策「爆弾テロ編」インドネシアや欧州での過去の実例と予防策

Last Updated on 2023年10月1日 by 海外勤務のすすめ

2018年5月13日早朝、インドネシア第2の都市スラバヤで自爆テロが発生しました。3か所のキリスト教会で発生し、今までに11人が死亡、41人が負傷する事態となっています。

またラマダン期間中のテロとなってしまったわけですが、今回は幼子を含む一家6人での自爆テロと断定され、ISが犯行声明を出しています。

今回は出張者のテロ対策シリーズ、第三弾「爆弾テロ対策」について書いてみたいと思います。

前述のとおり、海外では爆弾によるテロが頻発していますが、爆弾テロの傾向や出張時の予防対策についてまとめました。なお、テロに警戒すべき時期や場所については下記記事で記載していますので、合わせてご覧ください。

1.自爆テロ

爆弾テロにも種類があり、まずは自爆テロから見ていきましょう。

これは文字通り、自分を犠牲に他者に被害を負わせるテロです。現在は少し落ち着きつつある感がありますが、1-2年ほど前は、ISによる自爆テロが頻発していたように思います。その際に使用されたのが、「自爆ベスト」です。

自爆ベストとは、大量の爆薬を忍ばせることができるように作られたダウンジャケット様の衣服で、これを着て空港や街中で自爆するテロが散見されました。

実際の犯行としては、下記の例があります。

2016年 イスタンブール空港爆弾テロ事件

トルコの最大都市イスタンブールのアタチュルク国際空港で2016年6月28日夜(日本時間29日未明)、連続して大きな爆発があり、36人が死亡、約150人が負傷した。犯行声明などは確認されていないが、AP通信は政府当局者の話として、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」系によるテロの可能性が高いと伝えた。

現地からの報道によると、爆発があったのは国際線ターミナル付近。イスタンブールのシャヒン市長は「犯行は自爆テロ犯3人によるものだ」と述べた。犯人の1人は、ライフル銃を乱射した後に自爆したという。(産経ニュースより抜粋)

大変恐ろしい事件ですね・・

ISなどのイスラム過激組織には、威力の高い爆弾を作る「専門家」がおり、爆弾製造のノウハウを各地の過激派と共有する動きがみられます。このような製造技術を持つ専門家はレアですので自らがテロ攻撃に参加することはありません。そのため、爆弾製作のノウハウが無くなることなくテロが続く、ということになります。

特にテロ警戒時期では、空港などの交通機関や人ごみでの自爆テロに注意をする必要があるでしょう。

2.自動車爆弾

続いては自動車爆弾です。中東でのテロの定番は、実はこの車爆弾です。車やトラックは、自爆ベルトとは比べ物にならないほどの爆薬を積載できます。爆薬を満載して政府施設や警察、外資系ホテルの前に駐車して爆破させるというテロが過去非常に多く発生しています。

実例として、下記の事件が有名です。

2008年 イスラマバード マリオットホテル爆破事件

パキスタンの首都イスラマバードの高級ホテル「イスラマバード・マリオット・ホテル」(5階建、258室)のゲート前で、爆薬を満載したトラックが爆発した。この事件で少なくとも54人が死亡し、266人が負傷した。この爆発でホテル敷地に幅20m、深さ6mのクレーターができた。(Wikipediaより抜粋)

これはその際にできた、実際のクレーターの写真です。

まるで爆弾を落とされたような巨大な穴ができています。この写真からわかる通り、1Fロビーや2-3階まで、窓側は甚大な被害を受けています。

現在では、パキスタンの外資系高級ホテルは要塞化しており、簡単にテロリストが手出しできない設計とセキュリティになっていますが、過去の教訓から予防策を学ぶことは重要です。

また、中東では携帯電話を使った爆弾テロも散見されます。

爆弾には、携帯電話の着信を起爆装置にしているケースが多く、携帯電話(起爆装置)と爆弾をつなげて、遠隔地から電話をかけて爆発させるという方法が一般的です。パキスタンなどでは、爆弾事件が発生すると当局によって発生地近辺の携帯電話を不通にしてしまうケースも多々あります。これは、第二、第三の爆発の阻止と、テロリスト間の連携遮断が目的ですが、まさにテロ後の現場は混沌とした状況となります。

2009年 ジャカルタ マリオットホテルテロ事件

2009年7月17日(金曜日)、日本時間午前9時45分頃、インドネシア首都ジャカルタの中心街(メガ・クニンガン地区)にあるマリオット・ホテル及びリッツ・カールトン・ホテルにおいて大規模な爆発事件が発生。当局発表によれば、死者9名、負傷者52名。マリオット・ホテルでは、2003年8月にも爆弾テロ事件が発生し、死者14名、負傷者約150名を出している。(外務省談話より抜粋)

過去にはインドネシアジャカルタでも、外資系ホテルが自動車爆弾の被害に遭っています。

現在ではジャカルタやマニラ等、アジアの高級ホテルでは、ホテルに乗り入れる車両の下を鏡でチェックしたり、車両が乗り入れしづらい段差設計になっていたりと、様々な対策がされていますが、時期によっては外資系ホテルをやめて、地元資本のホテルに宿泊することも有効な対策になります。

3.爆弾テロ発生時の対応

それでは、万が一近くで爆発音が聞こえたような場合はどう動けば良いのでしょうか?

近くで爆発音が聞こえたら?

・身を伏せて遮蔽物の陰に隠れる。上からの落下物に気を付ける。

・とにかく爆発現場から遠ざかる。他人の動きに惑わされない。

・自身の無事が確認できたら、最寄り拠点に自分から安否を連絡する。(安否、事態、状況等)

とにかく現場から遠ざかる、ということが肝要です。

なお、爆発は2度発生することもあります。これは1回目の爆弾で救助隊や野次馬などを引き付けておいて、2回目に本当に威力のある爆弾を爆破させるというテロリストの常套手段です。

そのため、万が一爆発があったらとにかくその場から遠くへ離れることを意識してください。ケガ人がいる場合でもまずは自身の安全確保を優先するようにしてください。

4.爆弾テロの予防策

続いて、そもそも爆弾テロの被害に遭わないためには、どんな対策が可能でしょうか?

現在、テロリストのターゲットは政府と外資(欧米)です。過去の実例から、テロリスクの高い地域・時期での国家関連施設や欧米系ホテルや、教会などの宗教施設は狙われる危険性があります。念のため下記の点に注意しましょう。

・大使館、軍、警察施設、宗教施設には不用意に近づかない。

・ホテル(特に外資系)のロビーでは長居しない。

・宿泊する部屋を選べるのであれば、ホテルの内側の部屋を選ぶ

・空港では入り口やロビーに長居せず、セキュリティエリアに早く入る。

・集会、コンサート会場等人が集まる場所で、不用意に長居しない。

・異変を察知できる状態にしておく。(街中でイヤホンは利用しない等) など。

なお、上記はテロリスクの高い場所や時期の対策です。もちろん日ごろから警戒を怠らないことは重要ですが、特にリスクの高い場所、時期では、意識して警戒するようにしましょう。

最後に、これだけは覚えておいてください。

ラマダン期間中及び、ラマダン明けの金曜日は特にテロへの警戒が必要です!

実は上記実例の、イスラマバードやジャカルタのテロは、ラマダン明けのタイミングや金曜に行われています。

また、冒頭で紹介したスラバヤでの教会爆弾テロも、まさにラマダン期間中の犯行です。

ラマダンはイスラム教徒にとって宗教心が高まる非常に重要な時期で、金曜はイスラムの礼拝日です。そのため、ラマダン期間中のイスラム圏への出張があれば、ホテル選びや現地での行動は特に注意を払うべきでしょう。

テロリスクの高い地域へ渡航される方は是非覚えておいてくださいね。

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