Last Updated on 2023年10月1日 by 海外勤務のすすめ
夫の海外転勤が決まったときに、妻はどうしたらいいのでしょうか。
既に仕事をしている人なら、「このまま日本で仕事をしたい」という悩みも出てきますし、「子供を転校させたくない、日本の学校に通わせたい」という希望もあるでしょう。
何より「海外生活に抵抗がある」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
家族帯同で海外に行くかどうかは、家族にとって大きな選択になります。
そこで、今回は、海外転勤は単身赴任か家族帯同かを検討する際の、いくつかのポイントを挙げてみました。
赴任時の参考になれば幸いです。
目次
1.単身赴任か、家族帯同か、悩んだら検討すべきポイント
夫に海外赴任の辞令がでたとき、家族としてはどんなポイントを検討すべきでしょうか?
下記にいくつか検討すべきポイントを挙げてみました。
検討すべきポイント
- 子どもにどんな教育を受けさせたいか?
- 生活環境の変化や言葉の問題に対応できそうか?
- 妻が働かなくても家計の問題はないか?
- 夫の仕事と家庭のバランスはどうあって欲しいか?
- 現地での子育ての体制は整っているか?
- 夫の健康管理に不安は無いか?
子供にどんな教育を受けさせたいか?
子どもの教育は海外赴任時に最重要に検討すべき項目です。
自分の子供にどんな教育を受けさせたいでしょうか?
折角だから、海外の学習環境に触れさせたい!
インターナショナルスクールに通わせたい!
と考える方もいる一方で、子供には日本の教育を受けさせたいと考える方も多いようです。
もちろん、現地でも日本教育を受けられる日本人学校もありますので、そんなに心配することはないかもしれませんが、現地語が身につくと思って帯同させたが、当然勉強は語学だけではないので、日本の同学年の子どもと同程度の勉強ができない、という悩みも多く聞かれます。
また、生活に慣れるまでにはかなりのストレスを感じたり、転校によってその土地になじめなかったりするケースもあり、やはり今まで通り、日本で教育を受けさせたいと考える方も多いようです。
このあたり、お子さんの性格にもよると思いますが、充分に家族で討議すべき課題でしょう。
現地の生活環境や言葉の壁、治安の問題はどうか?
日本での快適な生活環境を変えることに抵抗がある方も多いでしょう。
最初は言葉もわからないですし、右も左もわからない、買い物、料理、病院、お出かけなど何をするのも戸惑い、時間もかかります。
一人ではできないことも多く、一人での行動も制限されたり、また、食べるものが合わなかったり、周りになじめなかったりと生活全般が慣れるまでは大変です。
また、治安面では、日本ほど安全な国はありません。
海外では、窃盗、スリ、強盗等の犯罪被害が非常に多く、更に感染症、大気汚染など、生活環境が悪い都市もたくさんあります。このような地域で子供を育てたくないという意見も聞かれます。
お子様が小さいほど、大きな変化を強いられる海外赴任を敬遠してしまう人が多いようです。
メモ
このあたりは任地にもよるでしょうが、インド、インドネシア、ブラジルなど特にハードシップの高い国にはより慎重な検討が必要です。
妻が働かなくても問題ないか?
今は共働きも多いので、仕事を持っている妻は海外赴任に合わせて仕事をやめなければなりません。
また、妻はビザの関係で現地で仕事ができません。
これは、今までバリバリ働いてきた人にとっては結構つらいことです。。結構仕事が生きがいという方も多いのではないでしょうか。
夫の手当が増えるとはいえ、家計の面でも心配が増えるかもしれません。
現在世界中の都市に、駐在ママさんのネットワークがあり、日中はレジャーや習い事など結構駐在生活を楽しめる奥様も多いようですが、ママさんネットワークに馴染めないタイプの方は結構大変かもしれませんね。
夫の仕事と家庭のバランスはどうあって欲しいか?
海外勤務する本人は、単身赴任の場合は家族と離れて寂しい暮らしをすることになるかもしれません。
その一方で、夫は自由に気楽に仕事に専念できるというメリットも考えられます。
海外赴任は、選ばれた人しかできません。
敢えて単身赴任を希望して、赴任中は「仕事に集中する時間」にしたいという夫も声もあるようです。この辺り、ご主人のキャリア志向や性格なども勘案して検討する必要があります。
子育ての体制は整っているか?
子供が小さい場合は手にかかりますし、子供が小学校・中学校に通っている場合は、学校行事や勉強、あるいは受験のことなど、すべてを一人でやらなければなりません。
この点、現在、祖父母の子育てのサポートを受けている方は特に要注意です。
祖父母の子育てのサポートが無くなると考えると、結構大変ですよね。。
また、海外の場合は基本的に子供を一人にしておけません。(法律で決まっている国も多いです。)
一人で留守番や、一人で買い物などもできませんので、基本的に親が常に同行することになります。
夫の健康管理に不安は無いか?
身体と心のケアをしてくれる家族が身近にいない状況になりますので、健康管理は結構重要なポイントになります。
一般的に駐在者は業務量が多く、責任も重い方が多いと思いますが、心身ともに自己管理が出来る方でなければ、精神的に追い込まれてしまうこともあるかもしれません。
また、食事を作れない方は、インスタントやレトルト食品、外食ばかりで暴飲暴食をする場合もあります。
実は、外務省の統計によると、海外駐在者の死因で一番多いのは、「脳梗塞・心筋梗塞」です。
これは、単身赴任者が圧倒的に多いというデータもあります。
原因は、現地での不規則な食事とお酒です。
夫の健康に目が届かなくなることも、大きなリスクの一つです。
2.海外勤務における家族帯同のメリットについて
ここまで、少し帯同が不安になってしまうような検討ポイントを記載してきましたので、次は家族帯同の場合のメリットについて見てみましょう。
家族帯同のメリット
・家族のきずなが強くなる
・異文化に触れられる
・外国語の勉強が身近になる
家族のきずなが強くなる
家族と外国での暮らしを一緒に生活する事は、家族のきずなは確実に深まります。
前述の通り、どこに行くにも家族単位で行動することになります。
また、任地で様々な観光地にも家族で旅行するでしょう。
帰任後は、皆一様に家族のきずなが強まったと感じるようです。
異文化に触れられる
外国の文化を知ることができたり、外国人の友達もできたり、日本では経験できないことができます。
子供にとっても大人にとっても貴重な体験となります。
子供に海外での異文化経験を積ませることができ、将来の成長過程で視野が広まるきっかけになることでしょう。
外国の勉強が身近になる
身近になるというより、勉強しなければならないということです。
現地の言葉に慣れなければ生活できないのですから、子供にとっては将来役立つ可能性があり、外国語習慣をするのは絶好のチャンスとなることでしょう。
この辺りは、会社が学費をどれくらい補助してくれるのかも大きな判断材料ですよね。
ポイント
企業によっては、任地に日本人学校が無ければ、インターナショナルスクールの費用を全額会社負担というケースもあるそうです。
3.家族帯同者が赴任前に確認しておきたいサービス
今までいろいろと検討ポイントを挙げてみましたが、どちらも一長一短ですよね。
結論としては、上記を家族で十分に話し合った結果なら、きっとベストな選択だと思います。
しかし、赴任する前に、チェックしておきたいおすすめのサービスがいくつかあります。
mintの生活相談会・教育相談会
ミントとは、日本通運が母体となって運営している、帯同経験のある奥様のネットワークです。
帯同される奥様目線になって、任地に合わせたアドバイザーが生活周りや子供の学校についてなど、様々なアドバイスを提供しています。
赴任時の引越し業者として、「日通の海外引越」を選択すると一部無料でサービスを受けられるようです。
詳しくはこちらから ⇒ mintの海外生活相談
海外子女教育振興財団
こちらは海外で日本の子弟が充分な教育を受けられるように設立された公益財団法人です。
現地の日本人学校から、帰国後のスムーズな転入手続きまで、海外の学校に関することは様々な情報が得られます。是非こちらで情報収集されることをお勧めします。
詳しくはこちらから ⇒ 海外子女教育振興財団HP
4.まとめ
いかがでしたか。
ここまで、海外勤務は単身赴任か家族帯同か、いくつかのチェックポイントをご紹介してきましたが、いずれにしても大切なのは家族の気持ちではないでしょうか。
夫婦だけではなく子供の気持ちを聞くことも大切なことです。
ベストな選択ができるよう、家族で充分に話し合ってみてくださいね。