Last Updated on 2023年10月1日 by 海外勤務のすすめ
メキシコでの邦人犯罪被害の事案は、ここ2年ほど急増しており、メキシコへ出張される方は大変心配ではないでしょうか?
今回は現地在住の日本人woiifeさんに、メキシコ出張者のための安全対策を下記記事にまとめて頂きました。特に、日系企業の進出先であるグアナファト、イラプアト、レオン等を念頭に置いた記事になります。
なお、「メキシコ駐在者向け」の安全対策についてもwoiifeさんに記事を書いてもらいました。
駐在者の方は下記をご参照ください。
それでは、以下ご覧下さい。
目次
1.メキシコの治安 最新情勢
日系企業が多く進出しているバヒオ地域では、日本人が犯罪に巻き込まれる被害が後を絶ちません。2018年に在メキシコ日本国大使館に報告された邦人の犯罪被害件数は126件で、被害を届けないケースも少なくないとみられ、実際の被害件数はもっと多いものと思われます。
今年1月から3月までの3か月間でも、すでに21件の被害報告があり、メキシコは依然として不安定な治安情勢であると言えます。
この記事では、邦人被害が増加しているグアナファト州で発生した被害実例から、おもに出張者に向けた具体的な防犯対策をご紹介していきます。
1.車は人通りの多い場所に駐車し、車内に荷物を放置しない
グアナファト州では、窃盗被害の約60%が車上狙いによるもので、他地域に比べて極めて高い発生率であると言えます。
薬局、コンビニ、レストラン、スーパーなどに駐車していたところ、窓ガラスを割られ、座席の下やトランクに隠していた貴重品を盗まれる被害が多数報告されています。
車に乗る際は、警備員が常駐している場所や、人通りの多い場所に駐車し、短時間でも車内に荷物を残さないよう注意してください。
(隅のほうが強盗に遭うリスクは高まる)
2.銀行やATMを利用するときは、利用客が多い場所を選ぶ
【被害実例】
イラプアト市にて被害者がATMで現金を引き出す際、横からメ キシコ人男性が近づいてきて「そのカードは使用できないと思うから見せてみろ」と言われたため、男にカードを預けた。
男からカードは返却されたものの、男が立ち去った後にカードを確認すると、自分名義のものでは無いことに気付いた。
すぐに銀行へ電話をかけてカードを止めたが、後に7,000ペソが引き出されていたことが判明した。
見知らぬ人に声を掛けられて気を取られているうちに、カードをすり替えられ、現金を引き出される被害が多数報告されています。
また、現金を引き出した後に駐車場で襲撃されたり、人気のない場所まで追跡され被害に遭うケースは非常に多いので、銀行やATMを利用する際は、利用者が多い場所を選び、複数人で行動したり現地スタッフに同行してもらいましょう。
(写真:人通りの多いATMを利用する)
3.目立たない 単独行動しない
【被害実例】
レオン市にて、ショッピングモール駐車場を歩いていたところ、2人組の強盗にいきなりナイフで脚の付け根を刺され、持っていた旅券、携帯電話等在中のカバンを奪われた。
路上での強盗、恐喝事件は昼夜問わず発生しています。徒歩での移動は、暗く人通りの少ない道を避け、単独行動はできるだけ控えましょう。
なお、現地の人でも22時ごろには外出しません。邦人の出張者は夜間は出歩くことを避け、早めにホテルや宿舎に戻ることが賢明です。
4.行動パターンを知られない
【被害実例】
セラヤ市にて、通勤のために自宅を出発した直後、脇道に駐車していた車に道を塞がれ、けん銃で武装した3人組に襲われた。犯人らはメキシコ人運転手に「Bajate, Celulares(降りろ,携帯)」と指示し、運転手はノートパソコンや携帯等を持って降車した。
けん銃を見て動揺した被害者は降車を試み、外にいた犯人2人に車内に押し戻されそうになったが、振り切って逃げることができ た。被害者が車内に残した旅券、クレジッ トカード、鍵等は車と共に奪われた。
メキシコでは凶器を使用した車両強盗および拉致・誘拐事件が相次いでおり、邦人被害も増加しています。
待ち伏せ強盗は事前にターゲットの行動を確認することが多いので、通勤や買い物等で時間や道順をパターン化しないことを心がけましょう。
(写真:メキシコのバス停)
万が一強盗に遭遇したら
では、万が一強盗に遭ってしまったらどう対処するのが良いでしょうか?
答えは簡単で、犯人の要求に素直に従うことです。
まずは、被害に遭わないための考え得る予防対策を徹底してください。
それでも被害に遭ってしまった場合は、潔く諦めることが肝要です。
ココに注意
逃走や反撃、追いかけたりしようとせず、お金でも、車でも、素直に渡してください。
企業の出張者であればなおさら、安全に帰国することを念頭に行動されることをお勧めします。
まとめ
犯罪被害に遭わないために最も大切な事は、周囲に不審者がいないか気を配る習慣を身に着けることです。
このように、危険なイメージの強いメキシコですが、実際に現地へ赴くと意外に危険を感じることはなく、のんびりとした雰囲気につい気が緩んでしまいがちです。
しかし、防犯意識が薄く隙が多い日本人は、犯罪者からは格好のターゲットとして見られていることを忘れず、防犯対策を怠らないようにしましょう。