Last Updated on 2023年10月1日 by 海外勤務のすすめ
メキシコでの邦人犯罪被害の事案は、ここ2年ほど急増しています。
メキシコへ駐在される方は大変心配ではないでしょうか?
今回は現地在住の日本人woiifeさんに、駐在者のための安全対策を下記記事にまとめて頂きました。
特に、日系企業の進出先であるグアナファト、イラプアト、レオン等を念頭に置いた記事になります。
是非、現地在住者からのレクチャーを参考にして頂き、安全に駐在していただければと思います。
それでは、以下ご覧下さい。
1.駐在者が住む一般的な住宅の紹介
グアナファト州への駐在者は、24時間セキュリティ付きのフラクシオナミエントまたはプリバーダ(下の写真)と呼ばれる、戸建て集合住宅に住むことが多いと思います。
住宅地は壁で囲まれており、入り口では守衛が人の出入りを監視していて、住人以外は身分証の提示を求められますので、治安の悪いメキシコでも比較的安全な住居と言われています。
娯楽設備が充実しているところも多く、子供が遊べる緑地公園やイベント会場、ジムやプールなどがついているので、家族帯同でも住みやすいでしょう。
(写真:住居への入り口の警備員とセキュリティ)
2.住居に関する犯罪被害の実例と防犯対策
守衛が常駐していても、窃盗被害は発生しているのが実情です。
(写真:治安の悪い通りには落書きがある)
サラマンカ市では深夜に侵入した犯人と住人の邦人が鉢合わせして恐喝されたり、レオン市では業者に成りすました犯人グループが何食わぬ顔で守衛のいるゲートを通り、白昼堂々と犯行に及んだ事件も報告されています。
このように、24時間セキュリティ付き住宅でも絶対に安心ということはありませんので、各家ごとに防犯対策を講じる必要があります。
具体的には、
ポイント
1. 窓やドアに鉄格子が設置されている
2. 塀が高く、忍び返しまたは有刺鉄線や電流線がついている
3. ピッキングしにくい構造の頑丈な玄関ドアや、鍵が3個以上設置されている
4. セキュリティーアラームや防犯カメラ、人感センサーが設置されている
5. セキュリティ会社に契約している(見える場所にステッカーが貼ってある)
6. 窓ガラスに防犯フィルムが貼ってある
といった条件を満たしている家を選ぶとよいでしょう。
日本人向け物件はすでに上記1.から3.の条件を満たしている場合が多いですが、もし気に入った物件に不安な箇所がある場合は、入居決定前に家主に改善を求めましょう。
防犯グッズ実例
上述の通り、防犯を意識した住居にお住まいでも、更に防犯対策を行う必要があります。
まずは、強盗のターゲットにならないために、隣の家より厳重な警備をしていることをアピールする方法が良いでしょう。
下記はあくまで一例です。現地で購入できるものも多々ありますが、心配であれば日本から持参しても良いでしょう。
人感ライト
賊を撃退するには日本でもおなじみの人感ライトも有効です。
なお、万が一侵入されてしまった際の方法も検討しておく必要があります。
外部からの侵入対策が大前提ですが、具体的な対策としては以下があります。
・平素から貴重品は金庫に入れておく
・盗らせ金を見えやすい場所に置いておく(ある程度のお金を盗らせて帰ってもらう)
・寝室には侵入できないよう、寝室のドアにカギを増やす。
3.運転中の防犯対策
メキシコで車を運転する場合、強盗などの犯罪被害に遭う危険性は高まります。
最新の報告によればセラヤ市、サラマンカ市などで、銃器を持ったグループによる日本人を狙った車両強盗が相次いでおり、その多くが、通勤中の路上や、買い物中の駐車場で発生しています。
犯人は事前にターゲットの行動を確認(下見して、狙えるターゲットであれば犯行に及ぶ)することが多いので、通勤、買物、娯楽、外食等に出かける際は、曜日や時間、道順をパターン化しないことを心がけましょう。
また、車を駐車する際は、店の裏側など人気のない場所を避けてください。また、乗り降りの際は周囲に不審者や不審な車がいないかよく確認してください。
具体的には、スーパーなどで、駐車場の中でも寂しい場所に車を停めておくと、車上荒らしや強盗に遭うリスクが高まります。
(写真:隅のほうの駐車スペースはリスクが高まる。)
車に乗ったらすぐに発進する。余計な寄り道はしないようにしましょう!
さらに、タイヤのパンク等車の故障で路上に停車中、親切を装って犯行に及ぶケースもあるので、道路わきに停車させることは避けてください。
イラプアト市では、赤信号の停車中に窓ガラスを割られ、席に置いていたカバンを奪われる事件も発生しています。運転中であってもカバンや携帯電話等は車外から見えないようにしてください。
さらに、一部の悪徳警官が市民を恐喝するケースもあります。
多くの場合、何らかの交通違反を指摘したり言いがかりをつけて高額な賄賂を要求し、現金を渡すまで解放しないといった手口です。
このような状況に巻き込まれたら一人で対応せず、会社通訳や現地スタッフをすぐに呼び、無実であればしっかり主張して不当な要求には応じないようにしてください。
(写真:人通りの少ない道は原則通らない)
4.メキシコの交通事情
メキシコは交通マナーが悪く危険な運転をする人が少なくありません。
また、路上駐車が多く、車両の間から急に人や自転車が飛び出して来たり、道路を無理やり横断する人や物売りも多く見られます。
舗装があまりよくないため道路に穴が空いていたり、トペ(車両を減速させるための凸状路面)も多いため、気付かずに進入し、急な衝撃で怪我をしたり車が破損することもあります。
(トペと呼ばれる凸面道路)
メキシコで車を運転する際は、常に周囲に気を配り、交通事故を起こさないように十分注意してください。自動車登録証と運転免許証は必ず携帯し、メキシコの交通ルールを遵守しましょう。
ポイント
なお、自分が交通事故の被害者になった場合、どこに連絡してほしいか、平時から現地語でまとめて、財布の中にしまっている人もいます。
逆に、車を運転する方であれば、加害者になってしまった場合や、事故に遭遇した場合に対応できるよう、警察や病院等への緊急連絡の方法くらいは、身に着けて運転したほうが無難でしょう。
以上、メキシコに駐在される方のご参考になれば幸いです。