Last Updated on 2023年10月1日 by 海外勤務のすすめ
2022年10月追記
2022年10月4日、北朝鮮による弾道ミサイルが日本列島の上空を5年ぶりに通過し、北海道と青森県で全国瞬時警報システム(Jアラート)が出されました。一部情報を更新しました。
2017年8月29日に、北朝鮮より予告なくミサイルが発射され、日本上空を通過して北海道東の海上に落下しました。その際にJアラートが鳴ったことが大きな話題となっています。
アラート発令時に企業としてどんな対策を講じるべきか、悩んでいる担当者も多いのではないでしょうか?
当然どのタイミングでアラートが鳴るかはわかりませんので、深夜、通勤中、業務中、外出中など、様々なシチュエーションの対応を検討する必要がありそうです。また、有事に備えたルール作りや対策も必要になるでしょう。
今日は、Jアラートに対する企業の対応を考えてみたいと思います。
また、韓国拠点がある場合、現地拠点、出張者への注意喚起も必要かもしれません。こちらの参考記事もご覧ください。
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北朝鮮によるミサイル発射や核実験その1 韓国出張は自粛?企業の対応、対策はどうすべきか?
Last Updated on 2023年10月1日 by 海外勤務のすすめ 2017年9月3日、北朝鮮は6回目の核実験を強行しました。 同年4-5月頃にも、「米国が北朝鮮に対して先制攻撃するのではな ...
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目次
1.国民保護ポータルサイトの周知
まず大前提ですが、Jアラートについては、内閣官房が国民保護ポータルサイトにおいて、国民が採るべき行動要領について示しています。
Jアラートによる情報伝達について
https://www.kokuminhogo.go.jp/kokuminaction/jalert.html
武力攻撃やテロなどから身を守るために 避難にあたっての留意点など
http://www.kokuminhogo.go.jp/shiryou/hogo_manual.html
これらは業務上、業務外を問わず、万が一の際に自分の身を守る対応要綱ですので、まずはこの行動要綱を社員に周知することが重要になります。特にとっさの時の対応として、階段室、近くの窓のない部屋、溝の中などに身を隠すといったような基本的な行動を周知しておくようにしましょう。
できれば社内掲示板(イントラ等)で案内するなどして、まずは社員に読んでもらい、各人が基本対応を理解しておくことが重要です。
2.避難場所の確保、強化
業務中にアラートの発出があった場合、業務をいったん中止し、安全な場所へ避難することが重要です。会社としては会社施設内で安全な場所、集合場所を確認し、これらを周知しておくことがポイントとなります。
更に避難場所については、爆風や破片の飛来に耐えうる施設を選ぶということと、施設を強化するという点が対策となります。
具体的には集合場所は、窓の無い部屋、会議室に集合する、仮に窓がある部屋の場合はガラス飛散防止フィルムを張ってガラスを補強する、などの対応が考えられるでしょう。
ガラス飛散防止フィルムは、イラクなど爆弾テロの多い地域のホテルなどでも採用されていますが、台風や地震など災害対策としても有効です。
3.安否確認の徹底
アラートが鳴った場合、安否確認を実施する事も考えられます。
特に営業などで外出している社員が多い企業などでは、本人の無事を把握する意味でも重要な対策となるでしょう。
安否確認連絡のポイントは、「本人から会社に無事の一報を入れてもらう」というようにルールを作っておくことが重要です。実施する際は、会社から連絡する方法は取りまとめが非常に煩雑になります。必ず所属部門の上司に本人から連絡し、部門長がまとめて人事総務に報告、というスキームが望ましいでしょう。
4.出退勤の柔軟な対応
労務的な話ですが、アラートにより出勤が遅れた場合なども遅刻と扱わない措置も必要になるでしょう。その逆もしかりで、交通機関の停止による混雑を想定して、早退を可とすることも考えられます。
特に保育園や小学校などでは、子供を早めに下校させる措置をとる場合もありますので、本人の希望があれば帰宅可とするなど、柔軟に対応したほうがベターです。
5.準備・その他
最後に考えられる対策をバラバラと書きます。
・大きな事業所などの場合は既に備蓄があるケースもあると思いますが、備蓄の準備も重要な対策です。食料に限らず、医療品、資材などもこの機会に点検準備することをお勧めします。合わせて、消化器等消火設備の配置状況の確認も効果的です。
・通勤途中でのアラート発出を考慮して、社員に対して通勤途中の安全な避難場所の目星をつけておくよう促す。
・有事を想定した避難訓練、対応訓練の実施
・韓国への出張者への安全対策の指示、渡航制限の検討 など
この件はどこまで会社として対策をするか、非常に悩ましいと思います。
会社や工場の立地などによっては、ミサイルの飛来コースでない所もあると思われますので、取捨選択して検討されることをお勧めします。
ミサイルにより実害が発生しないことを祈るばかりですが、まずは国民保護ポータルサイトの周知徹底から始めることをお勧めします。