Last Updated on 2023年10月1日 by 海外勤務のすすめ
この記事では、ドイツでの就職・転職活動の方法と対策をみなさんにお伝えしようと思います。これからドイツで現地採用を目指す人の参考になれば幸いです。
この記事を書いたfdmsopさんは、2017年ドイツのNGO団体にてインターシップを半年間した後に、初めて海外で就職活動を行い日系貿易企業に就職しました。その1年後に転職活動をし、現在は、在ドイツの日系化学会社に勤めています。
1.海外の日系企業で働くとはどいうことか?
まず海外の日系企業で働くとはどいうことか、どのような状況で勤務しているかをお伝えします。
海外の日系企業の多くは、最小限のスタッフで勤務をしているため即戦力の人を必要とします。入社初日の最初のオリエンテーションや研修などはなく、当日から仕事を任せられます。
その為、海外での就職はすぐに働くことができるスキルと知識、そして経験が最も重要になります。
たとえ日本の大学、もしくは現地の海外大学で専門課程を学んだとしても、実際に現場での職務経験がないと採用されずらいのが現状です。
スキルと言っても、英語ができるでは十分ではありません。英語はできて当然です。
例えばTOEIC800点以上ありますと履歴書に書いたところで、では実際に英語でビジネスコミュニケーションや交渉ができるかというと別問題です。
また語学は英語だけでなく他に現地の言葉(ドイツ語、スペイン語、イタリア語)もできれば良いとされますが、そこまで重きはおかれません。
ですので、必ず海外就職・転職する前に日本での勤務経験が重要であり、同じ職種であれば尚良しになります。
そして前述したように現地オフィスでは最小限の人数で仕事をしていますので、社員が数年で退職するとなると会社の負担になります。
回答をする時は「私はこの地にずっと住む予定です。」と覚悟を見せる必要があります。更に、過去に数年おきに転職をされていると、この人は離職くせがあると思われ、採用はされづらいと思います。
主にヨーロッパでの面接は一次が書類選考、二次が面接で結果がでることが多く、まれに三次面接で社長と面談する場合もあります。
ほんの30分から1時間の間での面接になりますので、履歴書に記載されている過去の職歴が最も重要になってくるわけですね。履歴書には、過去の職種、業務内容を細かに書き、過去の職業経験がどれだけ新たな企業で貢献できるかをしっかりアピールできるようにしましょう。
2.ヨーロッパの就職活動方法
ヨーロッパの企業採用は、日本のように秋ごろから一斉に採用試験スタートで何名の募集という形はありません。企業側はポジションに空きができたら、適正なスキル、能力を記載した求人表を出し、仕事を探している人は自ら会社にコンタクトを取り履歴書を送付します。
運が良ければ就職活動を始めて1,2カ月で職が決まる人もいれば、まったくポジションにあきがなく1年上かかる人もいます。
上記のように自ら仕事を探す方法もありますが、日系企業が多い都市には日系求人コンサルタント会社もあります。
多くの日系企業は人事部がない代わりに、企業には人材の紹介をし、求職者には仕事の紹介や入社後にに必要な書類や手続きを行ってくれます。求人コンサルタント会社のホームページより、現在募集中の求人情報を閲覧することができ、応募したい企業があればコンサルタント会社に連絡します。コンサルタント会社より応募者の適正、能力を見て、企業と求人者の意向が合致するか判断され、そして書類選考の後に企業側と面接をします。
ポイント
ドイツ、またはヨーロッパに支店を持つ主な日系求人コンサルト会社がこちらです。
・Career management
・Career conectionss
・Personal Service Experts
転職活動を考えている人はこのような日系求人サイトを利用すると、現在の仕事をしながら転職活動ができるという点で比較的有効です。
3.欧州就職のメリデメ
次に海外(ヨーロッパ)で就職するプラスの点とマイナス点をお伝えします。
まずは、良い点は二つあります。
一つは、現地の会社で働くことでその国の人、同僚と共に働いたり、または現地の人が顧客になるケースがあり国際的に働くことの楽しさがあります。
得意な言語でコミュニケーションを図ることができます。顧客といっても日本のようにお客様は上の立場という考えはあまりなく、比較的フレンドリーに対応することができます
二つ目は、勤務時間が守られており、有給が取得しやすい点です。
ドイツでは、勤務時間内に効率良く仕事をこなすことが重要であり、残業をして仕事をすることは仕事のスピードが遅く非効率だとみなされます。
仕事は1日8時間と決まっておりますので残業をする文化はありません。また有給は企業によって年間25日から30日が与えられ、これは法的に取得することが認められており、もし取得できなければ企業がその日給を支払う、もしくは翌年に未取得分を追加することが決められています。
その為、日本よりもプライベートとワークバランスが取りやすく、自分の時間を沢山確保することができます。ヨーロッパの人が夏のバカンスに3週間以上行く事は珍しくなく、夏やクリスマス前後は顧客や仕事のパートナーのメールから「しばらく休暇に出ていてオフィスにいません」という自動返信が届くきます。
自分の休暇中は、他の人がカバーをしてくれるので、気兼ねなく有給を取得することができます。
マイナス面については、やはり保険料、厚生年金、税金の高さから手取りの給与が低いことです。
例えば月々3000euroの給与だとて、保険料もろもろ差し引くととおそらく手取りは約2100euroになると思います。そして給与額が高い分、税金の額も割高になり、税金等の事を考えると日本の給与より下がる方が多いと思います。
私の経験やアドバイスがこれから海外転職活動に挑戦される皆様のお力になれればと願っています。