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角谷剛さんインタビュー 現地採用社員は「駐在員より待遇が悪い」は時代遅れ?

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最近では駐在者としてではなく、海外で現地企業に現地採用として働く人も随分と増えました。

イメージでは、駐在者と比べると、現地採用は待遇が悪い、給与が安い、というイメージで敬遠している人もいるかもしれませんが、実際のところどうなのでしょうか?

今回は、駐在も現地採用も経験して、現在は米国の現地企業で勤務している、角谷さんに記事を書いて頂きました。海外勤務に挑戦する方の参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

角谷剛(かくたに・ごう)

アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。

【公式Facebook】https://www.facebook.com/WriterKakutani

1.はじめに

私は現在フリーランスでスポーツインストラクターや高校陸上部の監督、さらにウェブライターと雑多な仕事をして暮らしていますが、3年前まではサラリーマンでした。日本で3年、米国で22年、合計25年間にも渡る長いサラリーマン生活で、2回の転職を経験しています。

どちらも米国でのことで、会社員としての立場は駐在員から現地採用に変わり、法律上の身分も一時就労ビザから永住権保持者に変わりました。

私の職種はIT関連でした。とは言っても、私が大学を卒業したのは90年代前半です。現在のようにインターネットやモバイルが一般的ではなく、汎用機と呼ばれた大型のクライアント・サーバー型システム(なんて懐かしい響き)の開発者としてキャリアを開始しました。

最初に入社したのは会計事務所系のコンサルティング会社です。経営母体は日本にある日本の会社でしたが、米国を中心に世界的なネットワークがあり、私は日本で3年働いたのちにニューヨークにある同系列の別会社へ派遣されました。私がその後ずっと米国で働くことになったのはこのことがきっかけです。

2.駐在員から現地採用へ

ニューヨークに派遣された当初は1年半のOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)と言う名目でした。当然、期間が終われば日本の元の職場に戻ることが前提だったのですが、思うところがあり、米国に残ることを希望したのです。

勿論、すんなりとそんな我儘が通るわけもなく、社内からは様々な反応とすったもんだがあったのですが、そのあたりの経緯は本題ではありませんので割愛します。

何はともかく、私の所属先は日本の会社から米国の関連会社へと移ることになりました。関連と言っても、両社間に資本関係はなく、ゆるやかなパートナーシップという形態です。

そのため、私は日本の会社を退職し、米国の会社にあらためて入社するという形になり、職場もニューヨークからロサンゼルス近郊へと北米大陸の端から端へと移動し、新たに現地採用社員として社会人としての再スタートを切りました。

難問だった就労ビザと永住権

これだけですと、社内手続き上の話でもあり、単なる米国内の国内転勤のようでもあるのですが、日本人が米国で働くにはクリアしなくてはいけないやっかいな問題があります。

それは、ビザの問題です。

私はそのときH-1B Visa(就労ビザ)を支給されて米国に滞在する法的ステータスを得ていました。このビザは雇用主がスポンサーになるもので、最大6年までしか延長できません。私の場合は同じ会社で働くのですから、スポンサーはそれまでと同じです。

問題は期限でした。その時点で米国生活は既に3年目でしたので、滞在期間は残り4年を切っています。既に日本の会社を退職して、大げさに言えば、橋を焼いて退路を断ってしまっていた私としては、何とかそれまでに米国での法的身分を確立する必要がありました。

ロサンゼルス近郊に引っ越してきて、すぐに永住権の申請を開始しました。これもまた実に煩雑で、カオス的なプロセスが長期間に渡って続いたのですが、またも長い話を無理矢理短くすると、なんとか就労ビザの期限切れ寸前に滑り込みで永住権を取得することが出来ました。

永住権は米国に滞在できるだけではなく、職場を変える就労の自由を得ることも同時に意味します。永住権申請中はスポンサーになってくれている職場を変わることが事実上できません。

私の場合は4年ほどで済みましたが、まだマシな方でした。それよりずっと長い期間、永住権スポンサーがネックとなって、意に染まない職場に縛り付けられている人も少なくありません。

3.自由で快適だった現地採用社員時代

永住権を取得した私はすぐに転職先を探し始めました。

スポンサーになってくれて、弁護士費用なども負担してくれた会社には悪いのですが、コンサルティングという仕事にも、熾烈を極める社内の競争にも、正直なところ飽き飽きしていたのです。

何しろ、プロジェクトからプロジェクトへと、数週間先はどこに長期出張するかわからないのがコンサルタントです。ロサンゼルスに家はありましたが、そこで寝るのは週末だけ、という生活が何年も続いていました。それはそれで刺激的で楽しいという面もあるのですが、その頃初めての子供が生まれるという人生の一大事を迎えていた私は、もう少し安定して穏やかな仕事を求めていました。

現地のリクルーティング会社に登録し、私の希望する仕事探しを依頼しました。私の専門はIT関連のプロジェクト管理、強みは日本語と英語のバイリンガルであることです。担当エージェントは当然ながら日系企業、あるいは日本と関係の深い企業の仕事をリストアップしてきました。その中の1つが日系メーカーのIT部門での仕事でした。

米国法人に籍はあるけれど、世界中の関連会社すべてのプロジェクトを統括するというポジションで、仕事内容は魅力的でした。米国支社は私の家と同じ市内にあり、通勤はとても便利ですし、日本を含めて海外への出張が年に数回ある程度と、それまでの生活からすると夢のような話に思えました。

気がかりだったのは待遇面です。

その頃は日系企業の現地採用社員には一般的に良いイメージがありませんでした。今でもそうかもしれません。給料は米国の平均よりはるかに安い、管理職になれない、駐在員や日本からの出張者の世話までやらされる、などなど、ネガティブな話をあれこれ耳にしたものです。面接してくれたのは米国人マネージャーでしたので、そのような日本人同士の関係については詳しくないようでした。

それでも面接を経て掲示された金銭面での条件は悪くありませんでしたし、職場の雰囲気というものは、実際に働いてみないとわかりません。

まあいいや、気に入らなかったら、また次の職場を探そうと、腹をくくって転職することにしました。それほどまでに前職のコンサルタント稼業が嫌になっていたのでしょう。上手くいかないかもしれないけど、これ以上悪くなることもないだろう、というのが正直な気持ちでした。

それよりも、せっかく永住権取得で得た自由を無駄にしたくなかったのです。

結果として、この転職は大いに満足できるものでした。

心配したようなことは何も起こらず、定時に出社し、定時に帰宅し、たまにある日本や海外への出張は、ちょうどよい里帰りや旅行気分を味わえるものになりました。

ワーク・ライフ・バランスという言葉がありますけど、まさにそれを実現していたように思います。おかげさまで、子育てにじっくり時間を取ることができましたし、趣味の世界を存分に広げることもできました。

さらに言えば、その自由で快適なサラリーマン生活を過ごしたことが、その後に趣味を活かしたフリーランスへとスムーズに移行することにも繋がったのです。

いかがでしたか?

私の経験が、皆様の今後の転職活動の参考になれば幸いです。

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