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インド駐在者必見!現地で日本人を採用する際の市場状況についてリクルート社インド現法インタビュー

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1.現地採用の日本人の増加

日本からの出向の場合、海外拠点には管理職として赴任される方が多いかと思います。

業務の中には現地ローカルスタッフの人事、労務管理も含まれており、日本人との習慣の違いから頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか?

一方、昨今では、現地採用の日本人の方も随分と増加しており、各拠点に日本人の現地採用スタッフが何名もいる、という企業もあるのではないかと思います。特に日系企業の進出が目覚ましいインドやインドネシア、マレーシアなどでは、現地採用の日本人は売り手市場とも言われています。

今日は現地採用の日本人についてのお話です。

現地で日本人を採用するメリットとしては、

  • 同じ日本人なので、日本企業の考え方の理解があり、意思の疎通がスムーズに取れる。
  • 現地法人での採用のため、基本的に待遇・条件は現地スタッフと同条件で雇用ができる。
  • 業務はもとより、業務外に関する相談、現地情報なども仕入れやすい。

などの点があるでしょう。

一方、以下のような注意点もあるかと思います。

・日本からの駐在員との待遇差が大きい。条件が違うことを理解して入社したものの、本人が引け目を感じる場合もある。

・日本人のローカル社員も、現地人のローカル社員と同様の公平感が求められる。日本人だけで話を進めるのではなく、現地人の総務責任者などとも交えてのバランス感覚必要となる。

いずれにしても、現地で日本人スタッフがいれば、駐在者としても大変心強いですよね。

2.インドでの日本人採用の現状について

では現地で日本人を採用する場合はどうすれば良いのでしょうか?

この場合、多くの企業が利用しているのが、「人材紹介エージェント」です。

大手日系人材企業のリクルート社もアジアを中心に進出しており、RGF HR Agent Japan((株)リクルートホールディングス の海外事業会社)として、現地日本企業の採用をサポートしています。

今日は、特に日系企業の進出が目覚ましいインドでの、日本人の現地採用の現状について、

RGF Select India Pvt. Ltd.(リクルート人材紹介事業 インド法人)の責任者である森土様にお話をお伺いしました。インドに駐在される皆様のご参考になれば幸いです。

<参考>RGF Select India Pvt. Ltd. ホームページhttp://www.rgf-hragent.asia/india

 

Q: 森土様の簡単なご略歴、自己紹介をお願いします。

RGF Select India Pvt. Ltd.(リクルート人材紹介事業 インド法人)の森土と申します。主に在インド日系企業向けサービスを担う、ジャパンデスクの責任者を務めております。

RGF Chinaでの新規企業担当を経て、リクルート インド拠点での日系企業様の人材支援、ご転職支援を行っています。大学時代にインドの公用語の一つであるウルドゥー語を専攻していたこともあり、インドと関わって早や10年になります。

RGF Select India Pvt. Ltd. 森土 卓磨様

 

Q: 最近のインドの日本人求人トレンドについて教えてください。

業界を問わず、営業職や総務職などの求人が多いですが、製造業ではミドル?シニア層を対象としたエンジニアのニーズも増えております。上記の人材ニーズは通常本社から派遣されるケースが多いですが、加速するグローバル化に伴い、社内からの必要人材の供給が間に合わず、外部から直接人材を採用するケースも増えております。

これらのケースでは、一旦は現地法人での採用となりますが、半年から数年で本社採用に切り替わることがあり、将来的なキャリアパスが用意されていることで転職者様にとってもメリットがございます。

最近ではこのような現地採用→本社採用のスキームが第二新卒層でも行われており、将来的な海外事業の責任者候補を囲い込む施策としても考えられています。

 

Q: 貴社のサービス内容について教えてください。

インドにおいて、主に日系企業のご採用支援、日本人とインド人の就職支援を行っております。企業様からのご依頼としては、他国と同様に営業職や総務職の案件が、業界を問わず多いですが、ことインドでは製造業の割合が多いこともあり、専門性の高いエンジニアや工場長やCOOなどマネジメント層のご求人も多い印象です。

日本人のご紹介においては、日本国内のリクルートグループの媒体とも提携していますので、難易度の高いスキル案件、技術系案件、拠点立ち上げ責任者など、幅広く対応しております。

ご採用が決まったあとも、希望者へはビジネスマナーや営業の基礎知識などの研修サービスを入社前に実施し、候補者様がより長くご活躍できるようサポートしております。

インド人のご採用に関しては、最新の人材マーケット情報をもとにコンサルティングすることを心掛けております。相場や各種制度が目まぐるしく変化し、数年前の情報が役に立たないことも多いインドですので、常にマーケット情報をアップデートしております。

また近年は異なるパッケージのサービスをご提供することで、多様化する企業のニーズにお応えしております。新規立ち上げの事案や、とことん人材を吟味されたい企業へは、単にご求人内容をお伺いするだけでなく、どのような人物像がベストかを徹底して議論したうえで人材をご紹介しております。対して、ご採用活動を現地スタッフに託され、ローカライズを進められた企業へは、スピードやプロフィールの量に特化した提案を行っております。

 

Q: インドの就労ビザ発給状況についてはいかがでしょうか?

インド転職には就労ビザ(Employment Visa)が必要ですが、この数年要件に大きな変化はなく、最低給与が年間USD 25,000(会社総支給額)と定められているのみです。

就業経験も必要ないため、新卒・第二新卒層や、近年規制が厳しくなっているシンガポールや香港などのアジア諸外国から、ご転職を切り替えて検討されている方、初めて海外でお仕事をされる方、などが多い印象です。

 

Q: インドでの転職希望者にはどんな方が多いですか?

以前はご登録いただく転職希望者の過半数が女性でしたが、現在はおよそ3分の2が男性と傾向が変化しています。これは女性の希望者が減ったわけではなく、男性が純増しているのです。また年代別でみると、引き続き若手の希望者からのご登録が多く、現在20?30代の候補者が全体のおよそ3分の2を占めます。

彼らの多くは留学経験や海外旅行経験が豊富で海外志向が強く、日本勤務のスピード感に違和感を覚えて海外転職を希望されています。近年インド転職の認知度が増加したことで、ご登録が増加しているものと考えられます。なお、全体のおよそ6割がビジネスレベルの英語を習得されております。

Q: インドで日本人が生活する上で、参考になる情報があれば教えてください。

インドは広いため、以下地域ごとに記述します。

■デリー/NCR

日本人人口:約4200人(インド内最多)

特徴:日本人の人口が最も多い為、日本食飲食店も多いです。

観光スポット:デリー周辺のラールキラー、ジャマーマスジッドなどの歴史的建造物と、クラブなどで賑わうハウスカス、サイバーハブなど若者向けのエリア

気候:5?6月が最も暑く、最高気温は 50 度近くになります。雨期は8月頃から始まり、時折スコールで道路が冠水する箇所も見られます。12?2月は冬になり、一転して5?10度まで寒くなります。衣類は夏用?冬用まで用意する必要があります。

■ムンバイ

日本人人口:約1000人

特徴:ボリウッド映画で知られる都市でインド最大の人口を誇る(2000万人超)

観光スポット:映画「スラムドッグミリオネア」の舞台となったムンバイ駅やスラム街などと超高層ビルとの対比が著しい都市です。ムンバイから北に100kmほどにはワインの産地として知られるナシックがあります。気候:気温は年中25?30度ほどですが、6?9月の雨季は湿度が高く、蒸し暑く感じます。

■バンガロール

日本人人口:約1000人

特徴:日本人人口は増加傾向にあり、日本食飲食店も増えています。「インドのシリコンバレー」と呼ばれるIT都市です。

観光スポット:特に有名な観光スポットはありませんが、日本人以外の外国人人口が多く、バーやクラブなどが並ぶホワイトフィールド周辺は外国人で賑わっています。

気候:気温は年中25?30度、高地に位置することもあり湿度も低く、年中過ごしやすい気候です。

■チェンナイ

日本人人口:約800人

特徴:日本人がまだ多くない為、日本人コミュニティの団結力が強い。

観光スポット:チェンナイのあるタミルナードゥ州は海に面しており、ポンディシェリ、カンチプラムなどは南国の雰囲気を漂わせます。

気候:年間を通して35度前後と蒸し暑いですが、1?2月ごろは20度まで涼しくなる日もあり、比較的過ごしやすくなります。

いずれの地域にも大小さまざまな日本人コミュニティが存在し、多くの日本人がスポーツや文化的な活動を通して交流を図っています。

 

Q: 現地の物価水準について教えてください。

インドは経済成長が著しく、年々が物価上昇していますが、それでも日本と比べると安いと言えます。尚、日本食は現地では高級なイメージがあるため、高めの値段設定です。

下記が具体例となります。?

ハンバーガーセット 約 150?200 /INR

カレー 約 100 /INR

日本食ランチメニュー 600/IDR

大瓶ビール 130/IDR

タバコ 250/IDR

(2017年現在、郊外では上記と異なる場合があります)

食べ物などの消費物価と比べ、家賃相場は比較的高めです。いずれの地域でも4?8 万 INR/月で、日本人向けの家具付きアパートが借りられます。ただ、家賃相場は物件の新古に関わらず、年間で 5,000?10,000 INR /月ずつ上昇しています。

 

Q: インドでの就労について、どんな点に注意が必要ですか?

インドでの就労に必要なものは、コミュニケーション力とポジティブ思考だと考えます。

まずコミュニケーション力ですが、最低限の英語力でも自分の言いたいことを伝える力が重要です。日本人の感覚では「これは言わなくてもわかってくれるだろう」と行間を読み、最低限のことだけを伝えることが多いかと思いますが、インドでその感覚は通用しません。はっきり5W1Hを伝え、きちんと伝わっているか確認をすることも必要です。また、ポジティブ思考は長くインドで生活するうえで重要です。「何を当たり前のことを」と思われるかも知れませんが、インドで働けば楽しいことだけでなく、時間間隔の違いや喧噪など、むしろストレスを感じる場面に多く遭遇します。この時、いちいち気にしていると積もり積もって大きなストレスとなりますので、ポジティブにとらえ、笑い飛ばす明るさが求められます。

Q: 最後に、駐在、現地採用に関わらず、日本人がインドで働く上でのアドバイスをお願いします。

まず英語を使い、様々な文化背景をもつ人々と協力し、交渉し、事業を推進していく経験ができることが、インドで働くことの大きなメリットかと思います。これらの経験はインドだけでなく、グローバルにビジネスをする上で大きなアドバンテージになるでしょう。

また日本や中国、欧米とは異なる成長市場での就労経験を得ることができることもメリットの一つです。先進国でのビジネスでは、利益率を重視する守りのスタンスをとることが多いかと思います。インドではまだまだ不足しているものが多く、投資フェイズのビジネスが多いですので、綿密さよりもスピードや勢いが重要なります。投資フェイズですので、新卒や就業経験のない方でも就労ビザを取得できることもあり、多くの方にチャレンジの機会がある国と言えるでしょう。

反面デメリットとしては、立ち上げ時期で社内制度が十分に整っておらず、日本のように手厚い福利厚生や教育制度を提供する企業は少ないかと思います。

また、様々な困難が立ちはだかる環境の中で、「インドだからしょうがない」と考え、成果が出せないことをインドのせいにしてしまうと、うまくいかない時にあきらめてしまう癖がついてしまい、インドを離れたとしてもやり抜く力を発揮できない危険性があります。

重要なことは、「インドでは何が起きても不思議ではない」と構えながら、簡単にあきらめず、乗り越えようと試行錯誤するスタンスだと考えます。

 

森土様、今回はいろいろな情報を聞かせて頂き、ご協力ありがとうございました。

以上、いかがでしたでしょうか?

現地での日本人スタッフ募集の際は、現地法人採用の経験やノウハウをお持ちのRGFさんに相談してみてはいかがでしょうか?

RGF Select India Pvt Ltd

本社所在地:Gurgaon, Haryana, India

問い合わせメールアドレス:enquiries-jp@rgf-select.co.in

ホームページURL:http://www.rgf-hragent.asia/india

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