Last Updated on 2023年10月1日 by 海外勤務のすすめ
海外赴任から帰国後のキャリアでは、海外の経験を活かしキャリア形成することが可能である一方、自身のポジションが確保されておらず、能力的な評価を受けることが難しい場合があります。
場合によっては、国内でのポジションが空いておらずキャリアダウンしたと感じる場合もあります。よって、海外勤務経験を高く評価してくれる企業へ転職するケースや会社をやめる人が増えています。
目次
1.海外赴任から帰国後のキャリアは上がるのか?
結論から言えば、海外駐在経験は間違いなくキャリアアップに繋がります。
理由を語る上で2つの視点が必要になります。
一つ目は、勤務中の企業内でのキャリアという視点です。
昨今では、海外での売上比率が国内に比べて増加している企業が増えており、大企業だけでなく中小、中堅企業でも海外展開を加速度的に進めています。
そんな中、海外赴任者は海外事業をより強固にすべく、会社の期待と責任を背負って赴任します。一般的な赴任期間は3年から5年ですが、その数年間の現地でのビジネス経験やノウハウは、会社にとって代え難い財産となるわけです。
一般的に海外から帰任した社員は、幹部候補として昇進していくケースが多く、海外赴任自体が社内でのキャリアアップの第一歩であり、キャリアアップのための必要な要素と言えるでしょう。
もう一つ必要な視点として、転職市場での自身のキャリアを考える必要があります。
実は海外経験者は転職市場で非常に価値が高い(海外経験を求める企業が多い)人材と言えるのです。
例えばあなたがインドのデリーでの勤務経験がある場合、これからデリーに進出する企業にとっては、あなたのインドでの経験はのどから手が出る程欲しいでしょう。更に同業種であればなおさらです。
つまり、企業は自社の今後の海外事業展開にマッチする経験者、即戦力をスカウトやヘッドハントをしているのです。
また、中小・中堅ほど、大手が積極的に進出しない国、都市に駐在事務所を置いているケースがあります。その場合、これから同じ地域へ進出を検討している大手企業は、あなたの現地での経験を高く評価してくれる傾向があり、中小企業から大手企業への転職というケースも珍しくはありません。
転職後また同じ国へ赴任することになる、ということも十分にあるでしょう。
ポイント
「自社の中では当たり前の経験が、一歩会社を出るとその経験を求める企業がいる」という点に留意しましょう。
この視点が自分の海外経験を「高く売る」方法と言えます。
2.海外赴任から帰国後に転職する理由-早期退職者の転職事情
帰任が迫る駐在者は、帰任後の処遇が当然ながら非常に気になります。
帰任前というのは、駐在者の転職活動が最も活発になる時期といっても過言ではありません。実は帰任後の不安から転職を考える人が多いのです。
ここでは帰任のタイミングで転職した駐在者の転職理由の実例を見ていきましょう。
2-1.他の優秀な社員により、ポジションが空いていない
同じ会社の海外赴任者の中でもやはり競争はあります。
事業規模の大きい海外拠点や、欧州ディビジョンや、北米ディビジョンなど、統括拠点へ出向した社員ほど、帰任後に昇進するケースが多く、赴任先によって今後のキャリアマップが決まってきます。
企業によっては、慣例的に●●拠点でマネージャーを経験したら、次は本社役員になる、などの暗黙のケースを作っているところもあります。
また、自分が海外駐在中に、日本側で結果を残した優秀な社員もいるでしょう。
サラリーマンの競争はどの会社でもあります。
戻ってみたらライバルのほうが昇進していた、なんてこともあります。
リスクをとって海外赴任したものの、出世の目が無く転職を考えるという人も少なくありません。
2-2.自分が就きたくない部署に移動させられる
帰任後に、今までと全く別の部署に配属されるケースもあります。
更には、本社勤務も確約されておらず、地方の支店や工場に転勤となることもあるため、海外赴任したのにキャリアダウンしてしまったと感じるケースもあります。
赴任中だけでなく、赴任前とも全く勝手が違う環境で働くことになることもあり、新たに仕事を覚えなければならないので、転職するいい機会だと退職する人もいます。
2-3.決裁権が無くなる
海外駐在者は少数精鋭で、ある程度の権限を持って、いわば現地法人の経営幹部として赴任するわけです。
日本での役職は係長、課長であっても、現地では役員、部長、課長クラスの役職で勤務した人にとって、帰任後の自分の決裁権が無くなってしまう点に物足りなさを感じることも多いようです。
現地では自身がプレイングマネージャーとしてすべての責任をもって動けたのが、帰任後は組織の歯車の一つという感覚が強まってしまい、改めて自分はサラリーマンなんだと失望して、自分の経験を活かせる職場を求めるケースがあります。
2-4.行きたくない国への赴任が決まる
ひとたび海外赴任をしてしまうと、赴任期間満了後は日本勤務に戻ることなく、また別の国へ直行して赴任するパターンも珍しくはありません。
基本的に海外拠点間の異動はよくある話なのですが、次の赴任先が行きたくない(もしくは現在の任地を離れたくない)ということもあるようです。
少しわがままな話になるのですが、新しい赴任先に行くくらいならこの土地で転職したい、と考える方もいらっしゃいます。
2-5.海外の経験が日本では役に立たない
これは意外と盲点なのですが、海外での経験が帰任後に活かせずに壁にぶち当たる人が意外といます。
現地での経験が長いほど、その国、そのビジネスでのプロとしていわゆる専門職化してしまい、日本式のものの考え方、仕事の進め方、意思決定のプロセスに赴任前よりも抵抗感を感じるというパターンです。
苦労して海外でキャリアアップしてきたつもりが全然前に進めていなかった感覚、長い海外赴任の間に日本のビジネスから取り残されてしまった感覚から、自分の経験が活かせる場所を探すきっかけになった、という人もいらっしゃいました。
以上、海外赴任者が転職を考える理由を見てきましたが、
海外赴任者が転職を考える際は、
・勤務中の企業内でのキャリアと転職市場一般のキャリアという2つの視点が必要
・自社の中では当たり前の経験が、一歩会社を出るとその経験を求める企業がいる
という2点を考えて動くようにしてください。
3.海外勤務中から転職活動を始まっている!
帰任が決まった駐在者は、帰任後の処遇や仕事環境に大変な不安を覚えます。
そのような背景から、
実は「駐在中から転職サービスに登録する」ビジネスマンは、言わないだけで結構多いのが実情です。
日本への一時帰国に合わせて、転職エージェントを訪問して、自分にマッチする求人案件の紹介を受けたり、現地に居ながらにして、ヘッドハンターとウェブミーティングで次の転職先の相談をする、ということは、駐在者にとってかなり一般的と言えるでしょう。
海外赴任経験者が転職を考える時は、必ず海外ポジションや海外事情に詳しい転職エージェントを利用しましょう。
その理由は、
参考
・日ごろから海外経験を活かせるポジションを収集しているため
・積極的に海外展開を行う企業の人事とパイプがあるため
です。
下記にて、海外経験者が登録すべき転職エージェントを3社推薦させて頂きます。ご自身にマッチする転職エージェントが見つかる、転職エージェント10秒診断もご活用ください!
海外勤務者へのおすすめエージェント.リクルートダイレクトスカウト
リクルートダイレクトスカウトは、転職業界の最大手であるリクルートが運営する転職マッチングサービスです。ユーザーがサイトへ登録することで、ヘッドハンターや企業からスカウトを受けることが可能となります。
公式サイト内で特に強調されているのが、「年収」で、案件としては、部長や経営幹部クラスのハイクラス案件が中心になります。
参考記事:超ハイクラスポジションのスカウトが届くと評判のリクルートダイレクトスカウト 特徴・口コミまとめ
海外勤務者へのおすすめエージェント.ビズリーチ
ビズリーチは、グローバル人材などの即戦力・ハイクラス人材に特化した転職サービスです。
現時点で700万円以上の年収は必要で、多彩な企業や、ヘッドハンターからスカウトを受けられることが特徴。(登録ヘッドハンター数 2700名。2018年10月現在)また、本気の転職者のための有料版アップグレードプランがあるのも特徴です。
参考記事:【ビズリーチ】海外駐在中でもスカウトが届く?転職経験者の評判・口コミは?
海外勤務者へのおすすめエージェント.パソナ
パソナキャリアでは、サポートが親身、手厚い点や、案件が豊富な点、年齢を問わない点や、地方を含めて全国的にサービスを提供している点が評価されています。
いわゆる万能型の転職エージェントです。
最近では海外案件も多数扱うようになっており、駐在者の利用率も高いエージェントのようです。