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海外駐在中に退職を伝える方法 いつ、どうやって伝えるか?

Last Updated on 2024年2月5日 by 海外勤務のすすめ

この記事では、海外駐在中の退職方法、注意点を書いています。

少しレアなケースかもしれませんが、様々な事情で退職の意思を、海外から日本本社に伝える人が参考になれば幸いです。

円満退職するなら海外駐在中に退職手続きする

退職を決意するのは何も国内に滞在中の時ばかりではなく、海外駐在中に起こり得ることもあります。できるだけ会社と円満な関係を維持した上で退職をしたいなら、帰国後に退職の意を伝えるよりも海外駐在中に伝達しておくことをおすすめします。

海外に駐在する優秀な社員はそう見つかるものではなく、後任を探すのが困難なことから退職手続きは人事部や、所属する事業部に大きな負担を与えます。海外駐在中に所属部署や本社(人事)へ退職の決意を伝えておくことで、後任を探す猶予期間が確保され、手続きの円滑化にも繋がります。

ただし、海外駐在中に退職手続きを行うことによって、帰任者の金銭的な負担が重くなる点には注意しましょう。退職金の減額や帰国費用の発生が重なるため、事前に十分な用意をしておかなければなりません。

海外駐在中の退職手続きのメリット

海外駐在中に退職の意を伝えておくことで、人事部へ迷惑をかける心配が薄らぎます。余裕を持って退職手続きをした方が人事部への負担が和らぎ、余計な折衝をする必要もありません。相手のことをしっかりと思いやって行動することで手続きも円滑になり、円満退職に一歩近づくことができます。

人事部に迷惑をかけないで済む

退職者が出た場合、最も影響を受けるのは、所属部署でしょう。

今までの業務の引継ぎや、後任を探す必要があります。特に海外駐在として選任された方はなかなか代替えが難しいと思われます。

また、本社人事にも影響は及びます。仮に退職の決意を帰国後に伝えたとしましょう。すると、人事部は短期間で退職手続きや人員募集を行う必要があり、さらに負担が増してしまいます。一方、海外駐在中に余裕を持って退職の意を伝えておくことで、人事部にも時間の猶予が生まれて混乱が少なくなります。

帰任後円満に退職できる

海外駐在中に退職手続きの下準備を済ませておくことで、手続きが円滑に進んで上司との関係も円満にできます。

社員が退職することで問題となるのは、大きく分けて「後任の問題」と「スケジュール」です。「社員が辞めた穴を誰が埋めるか」「仕事の引き継ぎはどのように進めていくか」という問題が表面化しますが、帰国後に退職の意を伝えると、社内で準備する時間が取れません。後任への引き継ぎやスケジュールの意思決定を握っているのは上司の可能性が高いため、早い段階で決意を伝えておくことで関係が悪化することを避けられます。

また、海外駐在中に退職手続きの準備を進めることは、引いては自分のためにもなります。帰国後のスケジュールやtodoが整理された状態になるため、いざ退職してからの行動に繋げやすくなるでしょう。

海外駐在中の退職手続きのデメリット

海外駐在中に退職手続きを行うデメリットは、経済的な負担です。海外駐在中は非居住者として扱われるので退職金の納税額が多くなったり、帰国にかかる多大な費用を自分で負担する必要も出てきます。先ほどのメリットとの兼ね合いも考え、事前にしっかりと準備を行っておきましょう。

退職金にかかる税金が莫大

海外駐在中は非居住者として扱われるため、退職金の納税額の計算方法が異なります。居住者の場合は退職所得控除が反映されますが、非居住者は税制が給与課税と同じ税率なので納税額が高額になりがちです。

居住者の退職金にかかる税金の算出方法

  • 課税退職所得金額=(退職金-退職所得控除)×0.5
  • 所得税額=課税退職所得金額×所得税率-所得控除
  • 復興特別所得税額=基準所得税額×2.1%
  • 最終的な納税額=所得税額+復興特別所得税額

非居住者の退職金にかかる税金の算出方法

  • 課税退職所得金額=退職金×海外駐在期間を差し引いた勤務年数÷総勤務年数
  • 所得税額=課税退職所得金額×所得税率-所得控除

退職金の税金はいずれも会社が源泉徴収を行い、天引きされた金額を受け取りますが、計算方法が異なることによって手取り額が大きく異なります。課税退職所得金額の計算方法が居住者・非居住者によって異なり、非居住者ほど高額な課税所得になりがちです。

参考海外赴任者が帰国後対処しなければならない課題

帰国にかかる費用が自己負担

海外駐在中に退職手続きを行う場合、日本への帰国費用を勤め先が負担する義務はありません。よって、海外駐在中に退職手続きを行う人は、帰国にかかるフライト費用の他にも、帰国後の賃貸契約や引っ越し費用なども準備しておく必要があります。

帰国にかかる費用は自己負担

帰国にかかる費用は自己負担

  • 海外から帰国する際にかかるフライト料金
  • 退職手続きを行ってからの渡航先の宿泊料
  • 帰国後に住む新しい家屋の住居費
  • 新しい家屋に移る引っ越し代 など

場合によっては、上記の費用だけで数百万円に上ることもあります。退職金から用意する場合でも、一般的な退職手続きに比べて退職金を受け取る金額が減ってしまう点に注意しなければなりません。

海外駐在中の退職はデメリットも踏まえて行動すべし

海外駐在中に退職手続きを行うことで、人事部の負担減少や円満退職などのメリットに繋がります。ただし、退職金の納税額が増えるほか、帰国にかかる費用も自分で負担するなど金銭的な問題が表面化することは事実です。

海外駐在中に退職をする場合、メリットとデメリットをしっかりと考えるようにしましょう。勤め先の上長ともよく相談し、うまくバランスを取って退職に繋げていくことが大切です。

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