Last Updated on 2023年10月1日 by 海外勤務のすすめ
海外駐在者の日本帰任後の転職活動は、駐在中から動くケースが多いです。
面接もオンラインで済ませる場合が多く、面接のため直接会社訪問するというケースは少なくなっています。今やオンライン上でフレキシブルに転職活動ができるのです。
この記事では筆者の現地採用と駐在員の経験から、現地に居ながらにして行う、日本帰国後の効果的な転職活動の「4つの方法」についてまとめました。
皆さんの帰任後を見据えた転職活動の参考になれば幸いです。
1.人材紹介エージェントを利用するケース
まずは王道ですが、人材紹介会社に登録するという方法です。
日本の求人を希望する場合は、在日のエージェントに登録すると良いでしょう。
人材紹介エージェントは、自分の代わりにエージェントが推薦文や紹介状を書き企業にエントリーし、職務経歴書の添削や面接対策のアドバイスをしてくれるので日常業務や生活に負担をかけず転職活動を進めることができます。
ただしこれらのサービスは人材紹介エージェントや担当コンサルタントによって対応できる範囲が大きく異なりますのでご注意ください。
様々な業種や業界で求人を応募したい場合、大手日系のエージェントを利用することをおすすめします。様々業界に分けてチーム編成されているので広く求人を見つけることができます。
特定の業種やベンチャー企業、スタートアップ企業に絞って求人を探したい場合は、大手エージェント含めベンチャー系のエージェントを利用することをおすすめします。
なお、日本にある外資系企業への転職を希望する場合は、在日の外資系人材エージェントに依頼する方法もあります。ただし担当コンサルタントが外国人のケースが多く英語でのやりとりが必要になります。もちろん日本人のコンサルタントが担当になることもありますが、日系エージェントと同等の対応はしてもらえないこともあるので注意してください。
エージェント各種 |
取り扱い求人 |
サービス範囲 |
日系大手 |
日系の大手から中小企業、すべての業界・業種に対応。外資系大手企業の一部も取り扱いしている |
履歴書や職務経歴書、面接対策など対応してくれるが、担当コンサルタントによって対応してくれない場合がある |
ベンチャー系 |
日系のみの特定の業種、ベンチャー・スタートアップ企業をメインに取り扱いしている。 |
基本的に履歴書や職務経歴書、面接対策など対応してくれる。エージェントや担当コンサルタントによっては書類選考・筆記・面接対策マニュアルを提供してくれる |
外資系 |
外資系の大手から中小企業の案件を取り扱っている。業界・業種はエージェントによって異なる。 |
履歴書や職務経歴書、面接対策など対応してくれない。また担当コンサルタントによっては英語でのコミュニケーションが必要。 |
JACリクルートメント
海外経験を活かせる案件が豊富な転職エージェントとして、「JACリクルートメント」があります。
海外在住の人でも登録でき、電話にてキャリアアドバイザーに転職の相談を行うことができます。
2.スカウト待ち転職サイトを利用するケース
次に、企業のリクルータやヘッドハンティング会社からのスカウトを受け取って現地で転職活動をする、という方法もあります。
これは、自分のキャリア情報を開示して、それを見たヘッドハンター、リクルーターがアプローチをしてくる、といったいわゆる「待ち」のサービスで、下記のビズリーチ社などが展開しています。
スカウトメールの特徴として、基本的に年収が高く、限られた業種の求人を紹介されるケースが多いです。
ワンポイントのアドバイスとして、自分のレジュメには、必ず英訳した職務経歴書を添付しておきましょう。あなたの海外経験やスキルを認めさせる材料になるでしょう。スカウトサービスでは、職務経歴やスキル、成果をわかりやすくまとめるなどの工夫が必要になります。
ビズリーチ
スカウト待ちの転職サービスの代表格としてビズリーチがあります。
ビズリーチは年収の高い優良案件も多いため、海外経験を活かした転職を考えている人はまずビズリーチに登録することをおすすめします。
3.直接企業の採用ページから応募するケース
一見無謀に思える応募方法ですが、この方法も実は効果が高いのです。
「採用単価」という言葉はご存じでしょうか?
その人一人を採用するためにかかったコスト、ということですが、大企業であれば新卒者でも何十万とかけて採用しているのが実情です。
これが海外での経験もあって、業界知識もある、いわば即戦力の人間が自社のHPから応募があるということは、企業からすると、会わない理由はない(コストゼロ)というロジックが働きます。
目星を付けた企業がある場合は、HPからアプローチする方法も効果的かと思います。
なお、問い合わせや応募関係のメールは、会社の総務、人事が一次受となっている企業が大半ですので、「レジュメは関連する事業部にも展開してほしい」旨、加えて応募することは非常に重要です。
メールを最初に受け取った人は、自分の判断で事業部の採用機会をロスしてしまうことを恐れます。
今までの経験を現場で判断してもらえるよう、工夫して応募することも必要です。
また、今ではウェブミーティングがは一般的ですので、「まずはウェブで意見交換をさせてほしい」旨も、加えて送ると良いでしょう。
4.知り合いのコネで応募するケース
海外経験者の転職活動で、実は意外と多いのがこの方法です。
海外駐在者には、自ずと現地駐在者の企業を超えた「仲間」ができてきます。
この仲間から、とある会社が募集しているポジションの話や、現地企業の採用情報、はたまた、仕事のお誘いなど、たくさんの情報が入ります。
このような背景から、転職活動に至る前に、次の仕事が見つかってしまうケースも多々あるでしょう。
一方で、コネや紹介の場合、内定をもらったら確実に入社しなければいけないので転職活動でいろいろ業界や業種をみたいという方にはおすすめできません。また内定を断ると紹介してくれた方との人間関係に影響が出ますのでその方との関係をよく考えた上で判断しましょう。
5.まとめ
これまで説明した方法について、以下の表に、向いている人と向いていない人でまとめました。海外在住中に転職活動するにあたっては、一つの方法を実施するだけでなく、いろいろな方法を試してみて希望の会社を見つけることをおすすめします。
転職活動方法 |
向いている人 |
向いていない人 |
人材紹介エージェント利用 |
✔ 転職活動に労力を費やしたくない ✔ 業界・業種を絞っていない ✔ 転職活動をはじめてする |
✔ 自分で企業にPRをしたい ✔ 行きたい企業が決まっている
|
スカウト待ち転職サイト利用 |
✔ 自信があるスキルや経験をもっている ✔ 英語が話せる ✔ 転職活動の経験がある |
✔ スキルや経験、職歴に自信がない ✔ 転職活動の経験がない |
直接応募 |
✔ 自信があるスキルや経験をもっている ✔ 時間に余裕がある ✔ 書類作成スキルに自信がある
|
✔ 自己PRできない ✔ 書類作成スキルに自信がない ✔ スキルや経験、職歴に自信がない ✔ 時間に余裕がない |
コネで紹介 |
✔ 紹介してもらえるコネがある ✔ 自信があるスキルや経験をもっている ✔ 紹介先の会社だけに興味がある |
✔ 色々な業界や業種をみてみたい ✔ 人間関係の崩壊が心配 |