Last Updated on 2023年10月1日 by 海外勤務のすすめ
海外駐在と言っても、世界は広く国、地域によって日本人である私たちはそれぞれの地域であらゆる仕事環境、生活環境、文化の中で生きていくことになります。
今回は特にアジア地区(香港・中国)と米国における日本企業同士による接待の状況について説明したいと思います。
接待をされる方、受ける方のご参考になれば幸いです。
1.香港での接待
基本、香港の日系企業の駐在員は自家用車を持たず、電車もしくはタクシーなどで通勤をしております。タクシーなども非常に料金が安いため終電などは気にせず比較的夜遅くまで仕入先や客先とお付き合いをするケースが多く見受けられます。
一般的に日系企業の海外支社の場合は接待する方もされる方も双方共に接待に寛容なことが多く、接待費などもリミットが厳しく管理されません。そのため、日本国内の接待とは大分規模の違う接待がよく行われています。
海外出張で日本から当地を訪れる日本人出張者に対しては基本的にはその国のレストランや観光スポットに連れて行くことが多いのですが(香港の場合は有名な中華レストランが山のようにあり、連れ行く場所探しには困ることはありません)、海外駐在員同士の接待の場合はレストランであれば日本食に行くことが一般的です。
また、そのまま流れで二次会に行くことが多く、二次会は日本人か韓国人のホステスがいるクラブもしくはフィリピンパブへ行くことが多いです。場合によっては日本語が話せる中国人、香港人のホステスがいるクラブに行くことがあります。
先述しました通り、車の運転や終電の心配が無いことから、必要以上に飲酒する傾向にあり、お酒に強い、またはお酒に強くなる駐在員が数多くいます。
2.中国での接待
中国においても、香港同様、日系企業間では日本食レストランでの接待が基本です。
ここでも終電などの制約が無いためにお酒を多く飲む機会があります。
また、中国の場合は二次会では、宿泊を伴うカンファレンスなどのイベント時(そのような場合はホテルの中華レストランが一次会であることが多い)含めて、ホテルに併設されているカラオケに行くパターンが非常に多いです。
カラオケと言っても日本で言うカラオケボックスとは違い、クラブのようなシステムで、客一人につき一人の中国人のホステスがつきます。そこではカラオケで歌いながら酒を飲み時を過ごします。
基本的にホステスは日本語や英語は話せず、中国語が話せない限りはほとんどコミュニケーションが取れません。カラオケも日本語の歌はほぼ皆無で、中国の歌しか入っていないのが現状です。
かつては、その二次会が終わった後、自分についたホステスをホテルの部屋まで連れ帰り売春行為を行うお決まりのコースがありましたが、ここ数年で中国当局が締め付けを行い、最近ではそのようなサービス自体をほとんど見かけなくなりました。
※サービス自体は存在していますが、摘発された際に非常に大きなリスクを伴いますので、取引先に勧められてもお断りする意思を示した方が無難です。
次にゴルフについてです。まず香港では土地自体が少ないことからゴルフ接待は中国側で行うのが一般的です。中国だからさぞかしプレー代が安いだろうと思いきや、実は日本より高かったりします。あくまでも金持ち向けのサービスという位置付けにあり、中国側も足元を見て暴利を貪っているのです。
休日ともなれば深セン、広東地区でも日本円で2万円ほどします。駐在員で海外手当てが支給されているとは言え、接待費で落とせないゴルフの場合は懐が痛い話です。
3.米国での接待
それでは国を変えまして、米国での日系企業間における接待事情を説明致します。米国と言っても私が駐在しているミシガン州地区中心の説明となります。
米国は中国と違い、過激で華やか(?)な接待は基本は存在しておりません。日本アジアと最も違う点は「移動手段が自家用車」である点であると思います。
中には多少の酒を飲む機会があると思いますが、運転には注意が必要です。
酒気帯び運転の基準は日本(0.3mg/ml)よりアメリカ(0.8mg/ml)の方が緩めと言われていますが、最近厳しくなってきております。
また、米国は基本的にホステスがつくクラブ、のようなお店はほとんど存在せず(ニューヨークやロスなどの大都市には日本人ホステスのいるお店もありますが)、基本は日本食レストランで一次会を終えたあと、そのままお開きになるか、二次会はスポーツバーなどで過ごす、というのが一般的です。
お酒が弱い方にとっては接待環境はアジアと比較すると楽かもしれません。米国で盛んに行われている接待と言えば、やはりゴルフです。
アジア各国と比較すると、ゴルフのプレー料金が格段に安く、敷居も低いので、気軽な感じで接待に使用されます。
残念ながら米国は「美味しい」レストランは意外に少なく、誰もが美味しく過ごせる現地の料理、と言えばステーキくらいしかないのが現状です。
そのため、日本からの出張者に対しても連れて行くレストランは限られており、結果的に日本食が多くなってしまうのが現状です。
あとはランドマーク的な観光スポット(有名観光地、野球場やカジノ、ストリップなど)へ連れて行くことが多いです。
以上、皆さんが接待される際のご参考になれば幸いです。