Last Updated on 2023年10月1日 by 海外勤務のすすめ
今回は、本社から帰任命令がでたものの、赴任した香港が気に入ってしまい、その後も香港での勤務を実現したoowewneさんの体験談をご紹介します。
赴任先が気に入ってしまい、継続して同じ国で働きたいという人がいれば、参考になると思います。
それでは、oowewneさんの体験談をご覧ください。
プロローグ
昨今、日本から海外へ赴任を命じられること自体は特に珍しいことではありません。しかし独身者ならともかく、妻子のいる身であれば家族全てに大きな影響が及ぶことになります。私の場合は結婚して4カ月後の渡航と非常に慌ただしい旅立ちでした。
現地での生活は3年程度でしたが私にとっては非常に実り多いもので、忘れられない貴重な経験となりました。日本に帰国してからも香港ロスは大きくなるばかりで、テレビなどで香港の風景が映ると切なくて涙が出るほどでした。
ちょうど恋人と無理やり引き裂かれたような気持だったのです。
それ以降は決心して香港に再度戻る為に転職活動をスタートさせました。
1.最初の香港駐在時の仕事内容は?
当時、私は電機メーカーの営業職でしたから現地での仕事は既存顧客の管理や
新規開拓、更には売掛金の回収までが守備範囲でした。
毎日が刺激に満ちていて充実した日々を過ごしていたのですが、そんな中で赴任して3年後に日本帰国の辞令が出たのです。
私と同じように海外赴任先がとても気に入っているにもかかわらず、日本への帰国が決まった方も大勢いらっしゃることでしょう。ほとんどの場合は割り切って今度は日本で頑張ろうと気持ちを切り替えるのでしょうが、しかしどうしても同じ国で生活して仕事をしたいと考えた場合には、一体どのように求職活動をすれば良いのでしょうか?
2.赴任先で転職して引き続き仕事をする為には?
今後も同じ赴任先で仕事を続ける為には、大きく分けて下記の3つのアプローチ方法があると思いますが、それぞれ一長一短があります。
(1)現地の日系企業にアプローチする
(2)現地のローカル企業にアプローチする
(3)一旦日本に帰国して現地に拠点を持つ企業にアプローチ
(1)、(2)のメリットは現地で直接コンタクトができるので短期間で結論が出ます。従って一社目が不調に終わっても二社目、三社目と継続してアプローチが可能です。
一方で(1)と(2)のデメリットは、最初の赴任先企業を退職後であれば労働ビザがなく一般の観光客と同様の期間しか現地に滞在できません。
期限が切れると一旦国外に出てから再入国することになります。許容期間内に効率良く転職活動をしなければなりません。
もうひとつのデメリットは(1)(2)共に現地採用の扱いですから日本の駐在員のような恵まれた待遇は期待できません。駐在員の場合には現地での居住費は全額会社負担ですが現地採用の場合は個人負担が一般的です。
(3) に関しては私が経験した方法ですが、日本からの正式な出向扱いなので会社によって差はありますが好待遇になるでしょう。
しかしデメリットもあります。採用される会社に巡り合うまで長い時間が掛ることです。
私の場合は決まるまで約10カ月の時間が必要でした。
しかも最終的に成功する保証などは一切ありません。対象となる企業に熱意を持って自分を売り込む以外にないのです。少しでも成功率を高める為に最初の駐在期間中に当該国の事情などを深く勉強することが大切です。そしてもうひとつは言葉です。英語及び現地語を少しでもブラッシュアップする努力を継続してください。要するに自分がどれだけ即戦力として活躍できるかをアピールして人事担当者を説得しなければならないのですから。
プロパー社員と比べてハンデがあることを認識してぶつかってください。
3.苦戦した私の転職活動
普通の転職活動なら苦労することもなかったのかも知れませんが、私の場合は香港駐在ができる製造業に的を絞り込んでいたので極めて狭き門でした。
対象企業は香港に現地法人や支店があるか或いは香港に新たに拠点を設立するメーカーでした。対象となる企業の間口が狭く最初から苦戦は覚悟していましたが現実は予想以上に厳しいものでした。
企業の海外赴任候補は本社などで一定期間の勤務経験があり自社の製品知識などを身に付けた社員の中から選抜されるのが普通です。そのような逆風の中で求職活動が約10カ月間続きましたが、苦労の末に香港に工場を持つメーカーと新規に拠点開設する計画を持つ機械メーカーの2社から内定を得ました。
最終的には即座に香港に入って新規拠点の立ち上げにも参画できる後者のメーカーに入社した次第です。
4.2回目の香港駐在時の仕事内容は?
最初に赴任した現地法人には長い歴史があったので、私は前任者からバトンを受けて日常業務をこなし業績拡大に努力した訳ですが、2回目の香港赴任は完全にゼロからのスタートでした。自分で事務所を契約したり、会社登記の書類を準備したりと白紙状態からの立ち上げですから何から何まで初めての連続でした。この時に身に染みて感じたのが「やりがい」というのは「苦労」の同意語だということです。
現地に代理店はありましたが、新規開拓などは進んでいませんでした。以降は自分で可能性があると見込んだバイヤーに片っ端からアポを取り付けて何度も足を運んでは自社製品のプレゼンを展開しました。
最初の頃は一向に成果が出なかったのですが、継続は力なりとはよく言ったもので徐々にブランドが浸透して販売実績が目に見えて上向きになってきました。
それからは香港を足掛かりにして東南アジア各国に代理店を設立して年に数回の頻度で販売状況の確認や代理店管理で出張しておりましたが、私の家庭の事情もあり約3年で後任に業務を引き継いで帰国したのです。
5.おわりに
今回は私の香港への出戻り体験談を述べさせて頂きました。
今振り返っても10カ月の失業期間は長く様々な不安や迷いがありました。
もう海外勤務は忘れて普通の就職先を探した方が良いのではないか? 家族を抱えて自分の夢ばかり追求するのは無責任じゃないか?と毎日、自問自答していました。しかし結果的に夢が実現して2回目の香港勤務も充実したものとなり本当に苦労した甲斐があったというものです。
私と同じような希望を抱いておられる方へ心からエールを贈りたいと思います。
道は非常に厳しいですが慎重にリサーチをした上で熱意を持って頑張ってください。夢は叶える為にあるのですから!
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