Last Updated on 2023年10月1日 by 海外勤務のすすめ
海外勤務から日本勤務の転職活動について、どのようにすれば効率的でしょうか?
今回はシンガポールでの現地採用から、日本への転職を経験したlooinさんに体験談をお話をお伺いしました。
ちょっとしたインタビュー形式になっていますので、皆さんの転職活動の参考になれば幸いです。
それでは、looinさん、お願いします。
目次
1.転職を考えたきっかけ
私は現地採用でしたが、現地採用でも駐在でもいずれはやってくる本帰国の時期。駐在員と違って自分のタイミングで本帰国を考えられるのが現地採用であるメリットだったので、日本の転職事情も踏まえて28歳の時に本帰国しました。
転職を考えたきっかけは当時は独身でいずれは結婚したいと思っていたので、婚活に専念するため日本に帰ったほうが婚活しやすいかなと思ったのがきっかけです。
また現地で自分のやりたい仕事を自分が納得するまでできたので、今後の人生を考えたとき永住権をとりづらくなっている状況、労働ビザの状況を考えそれらの心配がない日本で働くほうが自分にとって良いかなと思い日本帰国及び転職を考えました。
転職した時期(海外勤務中?帰任後?)
実際に転職した時期は帰国後1か月です。帰国2か月ほど前から準備し、転職にかかったトータルの時間は3か月です。
転職活動の方法(現地からスカイプで、現地にあるエージェント経由で、等)
まずは現地にあるエージェントで日本での採用案件がないかあたりました。自分の強みが活かせる転職をしようと思ったときに現地で募集→日本採用の方が良いと思ったからです。ただ、案件数はかなり少なく勤務地も東京のことが多かったです。私は大阪出身だったので、どうせ戻るなら関西に戻りたいと思い、それも希望に含めるとなかなか見つかりませんでした。
次に試したのが、日本にある人材紹介。海外営業案件や、語学に強いエージェントを探し現地からスカイプでコンサルタントと面談しました。
またそれと同時に日本の一般的な転職サイトに2社ほど登録し、スカウトを待つ、自分から応募するなどの方法で転職活動を進めました。
転職活動で苦労した点、トラブル
日本での勤務経験がないため、なかなか日本で働くイメージや日本での商慣習に親しみがなかったことです。転職活動に筆記試験があるとのことで驚き、どう準備していいのかわかりませんでした。
提示されている給与についてどう解釈していいかよくわからなかったこと。
残業代を支払うことを前提に基本給が設定されているので基本給が低く、また社会保険料がどのような計算になりいくら払うのか分からなかったこと。
採用内定の際に、内定通知はいただけるがいわゆるJob Descriptionがなく戸惑った。
採用内定の際に提示された給与が自分の希望額と違い、給与交渉したが結局先方がそれ以上出せないとのことで、辞退したところ色々な役職の方が出てきて引き留められ困惑しました。
転職した業界(前職と同じ?異業種?)
異業種に転職しました。それまで法人営業の経験しかなかったのですが、事務職に転職しました。また、業界も商社から法律系事務所に転職しました。日本の労働環境が現地よりも悪いことを考え、日本の労働基準法を遵守する業界であること、英語を使える環境を求めて転職しました。事務所内の雰囲気も転職者ばかりの職場であり、同僚全員がそれなりに英語ができることもあり、私が浮くことなくなじめそうな環境であることに魅力を感じました。ただ、今まで営業をやっていてもともと事務作業は得意ではなかったので仕事自体はあまり好きではありませんでした。
転職に28歳だったこともあり、異業種、職種が違っていても挑戦できる年齢だったことが良かったです。転職先の同僚も異業種や前職と違う職種の方もたくさんいて心強かったです。日本での勤務経験がないので、まず日本で働くことになれる職場であることを優先して転職を決めました。
転職前後の年収の増減
年収はやや下がりました。シンガポール税金が安いので、給与=ほぼ手取りなのですが
日本は社会保険料がある分引かれる分が多かったです。転職1年目は住民税の負担もなかったので、まだ大丈夫でしたが2年目以降住民税がかかったり、ボーナスも満額でない時期もあったりで昇給もありましたが引かれる税金の方が多くて結構カツカツな生活を送っていました。
当初は残業代約10時間/月があったのですが、途中から働き方改革の一環で残業は基本的に禁止になり残業がない分さらに給料が減りました。
シンガポールでは転職して給与を上げるのが一般的ですが、日本の場合給与が下がることが多いと思うので特に異業種へ転職を考えられている方には留意した方が良いと思います。
海外経験者が転職する上で留意すべき点、活かすべき点
活かすべき点は何と言っても海外で仕事をした経験があるということだと思います。
自らの意思で海外勤務を希望したらより一層アピールするべき点だと思います。
私は前職が営業職だったのですが、営業で出した成果は詳しく職務経歴書に記載し、面接の場でも分かりやすく説明して海外でもきちんと実績を出したことを強調するべきだと思います。
海外勤務で数字で実績を語れるというのは、誰しもが持っている経験ではないため強みになります。
また実績を出すまでの苦労した点も同時にアピールするとなお良いと思います。
実績を出すまでの苦労話があると説得力もあり、異文化や言葉が違う環境でも投げ出さず、諦めない経験を語ることでどんな環境でも適応できることがアピールでき、特に日本の中途採用の面接の際、面接者に経営者がいる場合強いアピールポイントになりました。
そして経営者には面接受けが非常に良かったです。
2.ご自身や駐在仲間の転職方法、転職ノウハウ
駐在だとほとんどの場合が日本へ帰任もしくは他国へ異動の方が多かったです。駐在員の友人で転職したケースはシンガポールが気に入ってそのまま現地採用で日系会社へ社長として転職したケースがありました。
また会社によっては一度駐在に出ると、他国へ異動が数回あり10年ほど日本に帰れないケースもあり家族を持ったタイミングで日本へ転職しに帰ったケースもありました。いずれにしても家族と相談しこれからどこをベースに仕事していきたいかを考え転職するということは日本にいても同じなので、海外勤務だからと難しく考えず一般的な転職活動の一環として考えるのがよいかなと思います。
以上、lionさん、体験談をお話頂きありがとうございました!
3.転職先を決めてから退職しよう。
lionさんの経験からも言えることですが、転職するときは、必ず転職先を決めてから転職しましょう。
もちろん、仕事をしない明確な理由(休みたい、半年ほど旅行したいなど)があればよいと思いますが、退職するときは
「とにかく会社を辞めることが目的」となってしまっているケースも多々あります。
大半の場合は仕事が無ければ収入もなくなるかと思いますが、収入が無い中での転職活動は、思いのほか焦ります・・
是非、退職後のビジョンを明確にして、退職してくださいね。以下も併せてご覧ください。