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海外人事労務

航空券のオープンチケットは有事の際でも有効か?海外からの緊急避難に備える

Last Updated on 2023年10月1日 by 海外勤務のすすめ

昨今の朝鮮半島情勢、予断を許さない状況が続いていますね。

仮に北朝鮮が戦闘状態になった場合、特に韓国に駐在者を置く企業は心配でしょうがないですよね。今年2017年の5月くらいのタイミングでは、米国が先制攻撃するのではないか、などの憶測も飛び交い、「帰れるうちに駐在者を帰国させるべきか?」、「帯同家族だけでも先に帰したほうがいいのか?」など、悩んだ担当者も多かったと思います。私が聞く限り、帯同家族を帰国させたという会社もありました。

退避の話をする中で、企業の人事担当者から気になる一言がありました。

「うちは拠点責任者にはオープンチケットを持たせているので、いつでも帰れます。」

これまでも、有事に備えてオープンチケットを拠点長に持たせているという企業を聞いたことがありますが、果たしてオープンチケットがあればいつでも帰国できるのでしょうか?

1.オープンチケットとは?

先ずはオープンチケットの定義と、特徴を見てきます。

旅行情報サイトの「トラベルタウンズ」によると、オープンチケットとは以下の説明となります。

オープンチケット(またはオープン航空券)とは、予約時に利用するフライトを指定しないで購入できる航空券のこと。搭乗区間は指定する。

一般的には行きの往路は便まで指定しておいて、帰りの復路のみ便を指定しないでおく利用が多い。有効期限が設定さているのが普通で、復路の日時が未定のときに便利な航空券となっている。反対に予約・購入時に、往復ともに便を指定する航空券は、フィックス(FIX)と呼ばれる。

つまり、渡航後に帰国フライトを決定できる便利な航空券ということですね。渡航後に予定が変更になりそうな場合や、いつまで滞在するかわからない場合には有効な航空券となります。

2.オープンチケットのデメリット

条件の少ないオープンチケットにもデメリットもあります。

A:チケットの価格が高い

我々がエクスペディアなどで予約している格安航空券には、「こういう条件でよければ、この値段で行けますよ」、というもので、様々な条件が付くことで安く渡航できるわけです。

航空券には様々な種類があり、それぞれ条件が分かれています。この辺りは結構細かいので、必要に応じて旅行代理店の担当者に確認して頂きたいのですが、航空券がどの航空会社か、座席、期間、時期、変更の可否など、様々な条件によって内容・金額が異なります。オープンチケットの場合は、条件が少ないため、必然的に費用は高くなります。

ちなみに成田ロサンゼルスの場合、オープンチケットと格安航空券では、7倍ほど金額が異なりました。(格安航空券:6万円程度、3か月オープン40万程度)

B:有効期間が決まっている

一般的なオープンチケットの有効期限は、「決済日から1年間」で、その期間内に使用しなければなりません。1年間利用しない場合は、その権利は失効してしまいます。中には「3ヶ月オープン」、「6ヶ月オープン」などのチケットもあります。

C:ネット上で購入できない

オープンチケットはネット上で購入が出来ないケースが多いです。企業の場合は、通常は指定の旅行代理店に依頼する事が多いと思いますが、一般的には、購入は空港窓口か旅行代理店での購入となります。

3.オープンチケットは万能か?

それでは、冒頭の話に戻りますが、オープンチケットの「帰国日をいつでも選択できる」という特性を利用して、有事の際にすぐ脱出できるよう駐在者に持たせておくという方法は、果たして有用なのでしょうか?

まず、退避が必要な準戦争状態や、暴動、デモ等の激化という事態では、外国人は当該地を離れようとするため、飛行機の予約が取りづらくなります。また、事態が悪化すると、航空会社も定期便をストップさせたり、空港が閉鎖されてしまう、というケースもあります。

具体的な例として、2011年のチュニジアに端を発するアラブの春がエジプトにも波及した際に、カイロでも大規模な暴動となりました。この際には、定期便が運航停止となる前に退避すべく外国人観光客がカイロ空港に殺到する事態となりました。

このような場合、オープンチケットがあればすぐに空港カウンターで手配してくれるかというと、そういうわけではありません。

航空チケットの大原則は「予約優先」です。

当然と言えば当然ですが、いくらオープンを持っていても、座席の空きがなければ乗れない、ということです。仮に格安航空券とオープンチケットが競合しても、基本的には予約順となるため、「オープンだからどんな状態でも優先的に飛行機に乗れる」ということは決してありません。

空港カウンターで、オープンチケットだから乗せてくれと、交渉することはできるかもしれませんが、インターネット予約が発達した現在では、空席が無ければ難しいでしょう。

また、オープンチケットは復路が固定されているケースが大半で、多くは日本と当該地との往復の航空券となっています。退避する場合は、日本まで帰国する必要はなく、近隣の安全な第三国に移動できれば良いので、とにかく近隣の都市へ飛びたい場合は、持っているオープンチケットは利用できないことになります。

一方、退避の際にオープンチケットを持つメリットもあります。

オープンチケットでは「予約とキャンセルを繰り返す」ことが可能です。

例えば、そろそろ避難する必要がありそうだから、明日の便に予約を入れる。結果翌日になっても問題なさそうだからキャンセルする。その後また危険が迫ったら予約を入れなおす、ということも可能で、状況を見ながら帰国の判断をすることが出来ます。

まとめ

結論としては、オープンチケットは万能ではないということをよく理解し、暴動等の有事で定期便が止まる可能性がある場合は、早めに予約を入れることが重要となります。

特に重要なのはこのような事態になる前に退避する、ということです。本社は安全対策を検討し、早めに籠城を指示するなり、退避をさせる必要があります。

各地の拠点長にはオープンチケットを持たせているという企業もあるかと思いますが、仮にチケットが50万円で、拠点が6拠点あれば、拠点長全員に持たせて年間300万円の出費です。これが高いか安いかは企業の判断ですが、これくらいの金額があれば、退避判断の情報提供や、退避の際の移動エスコート、チャーター機の手配などを行う、海外セキュリティ会社とも契約ができるかもしれません。

いずれにしても、オープンチケットの特性を十分に理解して導入する必要があります。同時に、空港閉鎖や退避が懸念される国であれば、退避計画書や、暴動が激化した際の対応マニュアルなどを整備しておくことも重要です。

なにより、「オープンチケットは万能だ」と駐在者本人が勘違いしてしまうことが一番の問題かもしれません。いざ逃げようとした場合にオープンチケットが使えなかったとなれば、判断を誤る事にもなりかねません。

この辺りは人事担当者も、駐在者も良く理解頂いたうえで、オープンチケットを導入するか検討する必要があるでしょう。

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