Last Updated on 2023年10月1日 by 海外勤務のすすめ
「ベトナムの企業と取引したいのだが、どんなことに注意すればよいのか」と思っている方はいませんか?日本人に接するようにベトナム企業とも接してよいものか、迷うところです。
そこで、これまでの交渉の経験から、つまずくポイントや注意点を伝えます。頭の片隅に覚えておくことで、実際の交渉にも役立ててください。
1.取引相手を見極めよ
これはベトナムの中小企業とつきあう場合のポイントです。
ココがポイント
訪問前にアポイントを入れて、最初の訪問をすると思いますが、その際、現地スタッフに社長と話してもらい、感触を確かめておいてください。
当事者ではない第三者、特に一般のスタッフが連絡することで、思いがけない対応をされる場合があります。
関心がない企業には、高圧的に接したり、会うことに対しても条件をつける企業もあります。
社長によるワンマン企業は、後に、そこのスタッフに要求を伝える際に、それが合理的であっても、社長の気まぐれな一声で簡単に方針を変えます。
また、メールなどでやり取りをする場合は、その返信速度や対応の誠実さなどを確認しておいてください。もし、返信が遅れたり、対応が誠実ではない場合は、今後もスムーズな取引は難しく、早々にリストから外すべきでしょう。
特に、「投資してくれ」という言葉には注意してください。
取引の条件として、投資を要求する企業は少なからずあります。そして、このような企業との交渉が上手くいくケースはほとんどありませんでした。仮にその企業が求める商品を持っていても、代替企業などを探す努力をし、できれば回避するのが良いでしょう。
2.代替企業も検討せよ
取引する企業が1社のみで、そこだけに依存する取引は非常に危ういと感じます。
というのは、本当に信頼できる関係を築くのには非常に長い時間がかかり、その間に商習慣の違いから「信頼できない」や「負担が大きい取引」と感じることは多々あるでしょう。
依存が強ければ簡単に切ることができません。その上、ベトナムの企業は交渉でほとんど妥協しません。すると、交渉上の立場が弱まります。
ポイント
結果的に1社しかないとしても、代替企業を見つける努力をしたり、その存在をちらつかせながら、交渉するなどの工夫は必要です。
そのあたりの交渉術は、ベトナム人はよく身に着いています。しっかり確認しながら進めたいところです。
3.海外取引をした経験があるかどうかを確認しておく
取引相手としてみなす前に、必ず、過去に海外の企業との取引経験が何社あるかは確認しておいてください。もし、1件もなければ、納期の大幅な遅れ、ベトナムの商習慣の押し付けなどはある程度覚悟する必要があります。
また、コミュニケーションに苦しむ可能性があります。英語が話せるスタッフはいるのか、また、その手段はどうするのかを具体的に話し合い、場合によってはコミュニケーションルールを作成し、合意してもらう必要があります。
4.送金のタイミングなどをある程度伝えておく
後々問題になるのが、支払い期限です。
日本の場合には、様々な取引を一括して処理したいと考えたり、その処理の都合上、支払いは1ヶ月後や2ヶ月後などと決めている会社もあります。海外との取引経験が浅いベトナム企業は、これが理解できません。
交渉の最初に支払いの件に触れる企業は少ないのですが、契約まで進む段階で必ず対立します。
特に、ベトナムから日本へ商品を輸入する際は、配送日程や検品の日程、支払いのタイミングなどを交渉の早い段階で話し合っておくと良いでしょう。
海外との取引に慣れていないベトナム企業は、引き渡し直後の支払いを要求したりします。
以上、ベトナム企業との取引のご参考になれば幸いです。